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6600万年前、恐竜を絶滅させた小惑星は「最悪の角度」で衝突していた

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BUSINESS INSIDER JAPAN

6600万年前、巨大な小惑星が現在のメキシコに衝突し、恐竜など生物の75パーセントが死滅した。 【全画像をみる】6600万年前、恐竜を絶滅させた小惑星は「最悪の角度」で衝突していた 新たな研究で、この小惑星が「致命的な角度」で衝突したことが明らかになった。 小惑星は地表面に対して60度の角度で衝突し、太陽光を遮るほど大量の硫黄や二酸化炭素を大気中に放出した。 6600万年前、直径10キロメートルの小惑星が地球に衝突し、生物の75パーセントが死滅した。 衝突したのは現在のメキシコのユカタン半島付近で、高さ1500メートルを超える津波や大規模な山火事を引き起こし、海は瞬時に酸性化した。だが、多くの陸上生物を死滅させた原因は、大量の硫黄が放出され、太陽光を遮り、地球が寒冷化したことだった。恐竜は焼け死んだ後、凍りついただろう。 5月26日、ネイチャーコミュニケーションズ(Nature Communications)誌に発表された論文によると、もしこのチクシュルーブ小惑星が違った角度で地球に衝突していたら、壊滅的な被害をもたらした降下物のいくつかは避けられたかもしれないという。 論文を執筆した研究者らは、二酸化炭素と硫黄の大気中への放出量に関して、小惑星が地面に対して60度の角度で衝突したことにより「最悪の結果がもたらされた」と述べている。 「この衝突により、気候変動の原因となるガスが信じられないほど大量に大気中に放出され、恐竜の絶滅につながる一連の現象を引き起こした」と、論文の筆頭著者、ギャレス・コリンズ(Gareth Collins)氏はプレスリリースで述べた。「致命的と思われる角度で衝突したことにより、事態は最もひどくなった可能性が高い」

衝突の影響で遮られた太陽光

衝突がどの方向からどのように発生したのかを明らかにするために、コリンズ氏らはクレーターから採取した岩石を詳しく調べた。 小惑星の衝突によりできたクレーター内のほとんどの岩石は蒸発するが、中央に残った岩石がマントルや地殻とともに盛り上がり、台地を形成する。小惑星が真上から衝突したのであれば、台地は均一な状態になるだろう(泥に石を真上から落とした時の様子を想像してみてほしい)。だがこの小惑星は60度の角度で衝突し、地殻にめり込んだ痕跡が見られる(泥に石を横から投入した時の様子を想像してみてほしい)。 研究者らは、台地中央とクレーターのリム(リング状の縁)の一部にある岩石の角度が一致していることを発見した。これは、小惑星が巨大な軌跡を描きながら移動した方向を示している。 その結果、北東から飛来した小惑星は衝突後、南西に進んだということが分かった。そして、3Dコンピューターモデルによるシミュレーションでは、60度で衝突した場合の結果が、現在のクレーターの地質データと、ほぼ完全に一致した。 論文では、秒速19キロメートルの速さで小惑星が地球に衝突したと結論づけられた。衝突から1分も経たないうちに、小惑星は海底には直径約160キロメートルの穴を開け、地中に深く沈み込むにつれ、硫黄を豊富に含んだ岩石を気化させた。穴の中は溶けた岩石と超高温のガスが泡立つ大鍋と化し、そこからガス状の硫黄と二酸化炭素が、山ほどの高さまで噴出し、その後、何十年にもわたって太陽光を遮った。 これまでの研究によると、このとき少なくとも3250億トンの硫黄が大気中に放出されたという。

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