「立場が違う社員3人」と毎日会話しているか…「アイデアのセンスがいい」と褒められる人がやっている習慣
■「気づきや違和感が大切だ」では不十分なワケ ここで、なぜこのモデルで「出世魚」という比喩を使ったか説明させてください。 インサイトを見つけるプロセスでは、今まで一般的に「気づきや違和感が大切だ」「常識を疑うことや、自分独自の問いを持つことが重要だ」「仮説を持って世の中を観察することが肝心だ」などといった似たような言葉で説明されることが多く、その違いが明確にはわかりにくいと感じることもあります。 もちろん、それらは一つも間違いではありません。ただ、これらの似たようで違う言葉や考え方がたくさん出てくることで、少し混乱することもあるかもしれません。 そこで、本書では、これらの数多くの言葉は「すべて、最終的には『インサイト』へと成長する思考プロセスの途中段階の名前である」というスタンスをとることにしました。つまり、インサイト探索の中で出てくる数多くの言葉は、まるで「出世魚」のように「同じ種類の生き物だが、成長段階によって単に名前が違うだけ」なのです。 あなたの「気づき」や「違和感」、「疑問」「問い」「仮説」などは、まるで「出世魚」のように、最終的に「インサイト」という成魚へと成長する途中段階の一時的な「名前」として出てくるものです。異なる名前に惑わされずに、安心してインサイトを見つける作業を進めてください。 ---------- 佐藤 真木(さとう・まき) 電通 シニア・マーケティング・ディレクター 慶應義塾大学経済学部卒業。2004年、電通に入社後、主にマーケティングやブランディング、戦略立案に従事。大手クライアントから官公庁、地方自治体、スタートアップまで、100社以上のキャンペーン設計、広報戦略、新商品開発、新規事業戦略、ビジネスデザイン、企業ブランディング、地域ブランディング、アート思考研修などの企画、実施、ディレクションを行う。共著に『場所のブランド論』(中央経済社)、『センスのよい考えには、「型」がある』(サンマーク出版)、教育講座の執筆協力に『想像力を武器にする「アート思考」入門』(PHP研究所)がある。 ---------- ---------- 阿佐見 綾香(あさみ・あやか) 電通 マーケティング・コンサルタント 埼玉県さいたま市浦和出身。早稲田大学卒業後、2009年、電通に入社。以来、マーケティング・コンサルタントとして、数多くの企業のマーケティング、経営戦略、事業・商品開発、リサーチ、企画プランニングに従事。担当した業種は化粧品・アパレル・家庭用品・食品・飲料・自動車・レジャー・家電など。大手企業だけでなく、ベンチャー・中小企業も担当するなど、幅広い業種・規模の企業を手掛ける。著書に、累計2万部越えのベストセラーとなった『電通現役戦略プランナーの ヒットをつくる「調べ方」の教科書 あなたの商品がもっと売れるマーケティングリサーチ術』(PHP研究所)、共著に、『センスのよい考えには、「型」がある』(サンマーク出版)がある。 ----------
電通 シニア・マーケティング・ディレクター 佐藤 真木、電通 マーケティング・コンサルタント 阿佐見 綾香