「立場が違う社員3人」と毎日会話しているか…「アイデアのセンスがいい」と褒められる人がやっている習慣
■プロに共通していた思考「5つのパターン」 ---------- ○ 「なぜ? なぜ?」とひたすら自分の中で考える ○ 観察やクチコミから「小さなリアリティ」を見つける ○ 経験に基づいて、仮説を立てたり想像したりする ○ 内省したり、人と対話したりする ○ 自分自身の生活者実感。もしくは、他人にリアルで話を聞きまくる ○ 生活者を観察して、行動の矛盾や普遍的な欲求を見つける ○ フィールドワークとヒアリング ○ すべてを疑って、直観を働かせる ○ なるべく立場の違う人を選んで、3人以上にインタビューする ○ 常識をインプットした上で、自分の目で世界を捉え直す ○ 商品・サービスから離れて、人間の日々の思考や行動から考える ○ 当たり前を疑う目線を持つ ○ 課題をズラす。違和感を探す ○ 主観と客観を行ったり来たりの壁打ち ○ 問い→洞察→抽象化 ○ 心の動きの観察。日常の違和感の観察 ---------- 以上のプロたちの「インサイトの見つけ方」には、思考プロセスでの共通点が見られます。 共通するワードは、観察、疑い、違和感、内省、常識、当たり前、対話、経験、実感、直観、リアリティ、仮説、といった言葉たちです。これらをまとめると、図表1のような「5つの思考」のグループに分けられます。 ■大事なのは「思考の順番」 またインタビューを経て、もう1つわかったことがあります。会議で見るような良いアイデアは、非常に鮮やかで、あたかも最初からそのカタチであったようにも見えますが、実はまったくそうではありません。 その理由は、良いアイデアは優れたインサイトに根ざしていることが多いからです。そして、そのインサイトは宝探しのように、いきなり偶然に土の中から発見されるようなものではなく(そのように感じることもありますが)、最初は誰もが見過ごしてしまうような、とても小さな卵のようなものを、少しずつインサイトへと育てていく、といった感覚の作業だからです。 端的に言えば、「気づき」から「インサイト」まで育てていくための、「思考の順番」があるのです。 それをまとめたのが次ページの「出世魚モデル」です。インサイトは、いきなりインサイトとして世に生まれ出るのではなく、いわゆる「出世魚(※1)」のように、段階を経て成長していきます。 ※1 出世魚 稚魚から成魚までの成長に伴って、出世するように名前が変わる魚のことを指します。代表的な出世魚の例としては、ブリが挙げられます。成長段階によって「ハマチ(イナダ)」、「メジロ(ワラサ)」などと名前が変わります。