放送のネット“文字おこし”は問題あるの?
一方、TBSラジオ(東京都港区)の関係者は「書き起こしサイト?よく知りませんでした。そのサイトを見る人の数は、我々のリスナーの人数からすれは、取るに足らない数では、という印象。今すぐ対応すべき案件ではないと思うが、違法な行為には違いないので、やっている人には辞めた方がいいんじゃないですか、と言いたい。ただ、あまりにメジャーになってきたなら、こちらも対応を考えないといけませんね」と話した。 著作権について、書き起こす側の人はどう考えているのか?「ラジおこし」を運営する千葉大学工学部4年生の下津曲浩さん(21)は、「著作権としては、たしかにグレーといえばグレー。ただ、著作権は親告罪で、ご本人からの申し出があって初めて問題になります。削除の要望があれば、すぐに消します。でもこれまで、クレームが来たことはまだありません。個人的には、ネット時代にこうしたサイトがどんどん出てきてもおかしくないと思います」と話す。ネット広告からの収入は月1万円ほどあるが、外部のライターへの書き起こし発注費などがかかり、収支は赤字。それでも「将来は、全国の放送局のラジオ書き起こしプラットフォームに育てたい」と意気込む。 ブロガーのイケダハヤトさんは、自身のブログで「『部外者』は著作権違反について騒ぐな:テレビ・ラジオの書き起こしは流れになるよ」というタイトルの記事を書いている。その中で、今後は公開された音声コンテンツは勝手に書き起こされるのが当たり前になっていく、と予想している。インターネットからは日々、次々と新しい動きが起きており、今後も旧来メディアとの絡みで、権利関係の議論が続きそうだ。 (文責・坂本宗之祐)