「民間企業に比べ公務員はだめ、視野が狭い」パワハラ疑惑の79歳村長が辞意表明「職員の信頼なければ組織を率いていけない」と決断 複数の職員が「やめろと言われた」「書類を投げつけられた」など訴え
12月12日、宮田村(長野県)の小田切康彦村長(79)が、職員へのパワハラ疑惑などを理由に辞意を表明した。当初は村の顧問弁護士の調査を待って対応するとしていたが、「職員の信頼がなければ組織を率いていけない」として、結果を待たずに辞表を提出した。2025年7月の任期を前に、2025年1月1日付けで退職する意向を示した。 【画像】取材陣に追われる小田切村長
「世間を騒がせた」村長が謝罪
宮田村の村議会本会議で、小田切村長は閉会挨拶のあとに発言した。「けさ、本日付の辞表を議長に提出しました。世間を騒がせましたことを心よりおわび申し上げます」と述べ、辞職する意向を表明した。
パワハラ疑惑と公選法違反の指摘
小田切村長に対しては、複数の職員から「やめろと言われた」「書類を投げつけられた」などのパワハラ行為を訴える声が上がっていた。 また、2022年の参議院選挙の公示前に、役場の課長会で自民党の立候補予定者のリーフレットを配ったことが公選法違反にあたるとの指摘もあった。
「記憶にない」村長の弁明
12月2日、報道陣の取材に対し、小田切村長は書類を投げつけた記憶はないとしつつ、「民間企業に比べると公務員はだめだ」と言ったことは認めた。 「視野が狭いなという話はした。これは本人の問題なんですよ。本人がそう思えば、それはパワハラなんですよ」と述べた。
「部下の信頼無くば組織動かず」
当初は村の顧問弁護士による調査結果を待つとしていたが、小田切村長は「『部下の信頼無くば組織動かず』、これは私の民間の時からの信念でございます。信頼がなければ組織を率いていけない」と述べ、結果を待たずに決断した理由を説明した。
村民の反応は賛否両論
辞職について、村民からは「当然かなと思います」「私はあの村長に続けてもらいたい」など、賛否両論の声が上がっている。 小田切村長は最後に「上司と部下の信頼関係が大事になる。合わせて風通しの良い職場が必要。今回、反省点としてこの必要性を特に感じた」と述べ、今後の村政運営への課題を示唆した。 退職は2025年1月1日付けで、その後、村長選が行われる見通しだ。 (長野放送)
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