佐藤二朗、“笑う芝居”への持論を告白「笑ってはいけないのに笑っているのが面白い」<初耳学>
俳優の佐藤二朗が、1月16日放送の「日曜日の初耳学」(MBS/TBS系)に出演。「演技が大好き。演技する機会にたくさん恵まれたい」と語るほど“演じること”を愛する佐藤が林修のインタビューに答え、俳優という職業への思いや自身の演技論を語った。 【写真を見る】演技について林先生に熱く語る佐藤二朗 ■「絶対に押さえとかなきゃいけないのは…」 「勇者ヨシヒコシリーズ」(テレビ東京系)や「今日から俺は!!」(日本テレビ系)、映画「銀魂」などで見せる個性的なキャラクターが人気の佐藤。最近は映画監督・脚本家、バラエティー番組MCとしても活躍するなど、ますます活躍の場を広げている。 林先生に「役者として大事にしていることは?」と問われると、「いろいろありますけど“かも”を大事にしていますね。こんな人いる“かも”、こんなこと言う“かも”の“かも”です。見ている人は『こんな人いないよ』『こんなこと言うわけない』となった瞬間にマッハの速度で引いちゃうと思うんですね」と明かした。 1月21日(金)公開の映画「さがす」など、シリアスな作品でも強烈なインパクトを残す一方で、演出家・福田雄一の手掛けるコメディー作品では、佐藤の個性あふれる演技に共演俳優が思わず吹き出してしまうこともしばしば。そんな場面が実際に放送されるのも、福田作品ならではの面白さの一つだ。 佐藤は「こんなこと言うのは初めてだけど…」と前置きしつつ、「泣く芝居でもそうだし、笑う芝居でもそうだけど、泣こうと思っている人が泣いてもグッと来ないんですね。泣いちゃいけないと思っている人が泣くからグッとくるわけで。笑うのもそうで、笑いたくて笑っている人は全然面白くないんです。笑ってはいけないのに笑っているのが面白いんです。絶対に押さえとかなきゃいけないのは『笑っちゃいけないんだ』ということが大前提としてある」と、演じる上でのポリシーを語った。 ■妻へののろけツイートは「割と本気」 子どもの頃から役者になりたいという夢を抱いていた佐藤。「卒業文集に夢で役者って書くレベルじゃなくて、もうバカみたいに『なる運命だから』って固く信じ込んでいた」と言う。しかし、同時に「片田舎にいて大都会に一人で行って役者なんていう稼業で食えるようになるわけがない」とも思っていた。 大学卒業時には就職活動をし、企業に入社した。しかし、「入社式の日に辞めてしまった」とのこと。「営業部隊に配属されて上司の人を紹介されて、(役者を)諦めたつもり、完全に火は消したつもりだったんだけど、『いよいよ俺は俳優を諦めるのか』という分かり切ったことを、ふと(入社式の日に)思っちゃった。気付いたら入社式の会場から外に出てね。雨降っていましたよ。そのまま夜中の鈍行で実家に帰っちゃった」。そして、役者の世界に飛び込んだ。 「行動力ありますね」と驚く林先生に、「変な行動力、マイナスな行動力だけど」と苦笑いの佐藤。紆余曲折を経て、長い下積み生活を乗り越えて人気俳優となった今、「演技が大好きだから、演技する機会にたくさん恵まれたい、たくさんの人に見てもらいたいという欲求があるので、非常に今はありがたい」という。 そんな佐藤にとって、下積み時代から心の支えになっていたのが、愛する妻の存在だ。映画「さがす」で重要なテーマの一つになっているのが「家族の絆」だが、佐藤も自身のTwitterで妻への愛あふれる“のろけツイート”をたびたび投稿している。 「奥さまへの愛があふれていますけど」と林先生がツッコむと、佐藤は「今の自分の5分の4ぐらいは妻のおかげだって話はよくするんですけどね、これは本当に割と本音ですね。でも、しらふの時は一個もないです、こういうのろけツイートは」と照れ笑い。林先生が「酒中に真ありと言いますから。酔った時に真心が現れる」と指摘すると、佐藤も「また先生! もう勉強になります!」とうれしそうに応じていた。