相次ぐ廃止も!? なぜセダンは人気低迷?「セダンを選ぶ理由が…」若者の本音とは
セダンの悩みはユーザー層の高年齢化
2020年11月に中日新聞が報じた「次期型クラウンでは、セダン廃止し、クロスオーバー化を検討」というニュースに、日本中のクルマ好きに激震が走りました。 その後、「セダンプラスという新しいジャンルになる」といった噂が立ちましたが、トヨタからアナウンスはなく、クラウンの動向が注目されています。 【画像】カッコいいじゃん! スポーティさがウリのセダンをささっと見る (31枚)
トヨタ「クラウン」といえば、1955年に初代が発売された日本を代表する高級セダン。2018年に登場した現行モデルは15代目にあたり、伝統のある国産車のひとつです。 隆盛期となる1990年の年間販売台数はなんと約24万台。これは、いま日本で一番売れているホンダ「N-BOX」の2019年の年間販売台数(23万6635台)と同等という、驚異的な数字です。 昨今では、さすがにクラウンの販売台数は落ち込んでいますが、それでも現行型が登場した2018年には5万台超、2020年も約2万2000台と、エントリーグレードでも500万円近い高級車としては十分なセールスを記録しているともいえます。 そんなクラウンのセダンタイプが消滅するという話題になるのも、「セダン」というジャンル自体が低迷しているからにほかなりません。 最近ではレクサス「GS」やトヨタ「マークX」、日産「ティアナ」「シルフィ」、ホンダ「グレイス」「シビックセダン」などが相次いで販売を終了。 また、トヨタの「プレミオ」と「アリオン」が2021年3月末をもって生産終了となることが、公式ホームページで案内されています。 現在のSUVのように、かつてトヨタはセダン(4ドアハードトップ含む)だけでも充実したラインナップを展開していましたが、今後は「カローラ」「カムリ」「センチェリー」「ミライ」のみになる可能性があるのです。 センチュリーとミライが少し特殊なモデルということを考えると、実質カローラとカムリだけです。果たして、そこまで販売車種を絞るほどセダンは不人気なのでしょうか。 メーカーを問わず、実際に現場で販売を担当するディーラーマンは口をそろえて、「セダンは中高年齢層には根強い人気があるが、若者からあまり支持されていない」と話します。 実際、2015年の時点でカローラのセダン購入者の平均年齢は70歳、クラウンユーザーの平均年齢層は60代とされていました。 ちなみに、ユーザー層の若返りを狙ったという現行カムリですが、それでも30代後半から40代前半がターゲット。 ほかのセダンと比べれば若い年代を取り込もうとしているものの、30代・40代を「若者」とカテゴライズするには悩ましい世代ともいえます。