ヤングスキニーかやゆーが語る、己を突き動かす衝動の正体とは
スポーツ推薦で大学へ
その頃は、まだ「バンド」という概念を持たなかったかやゆー。高校に入学したてのタイミングでback numberの音楽と出会った彼は、「これがバンドなんだ」と知って夢中になっていく。曲作りを始めたのもその頃だ。 「なぜ自分で曲を書こうと思ったのかよく分からなくて……ただ、思い返すと高校生の頃とか下校中によく鼻歌でメロディを考え、そこにキザな歌詞をつけては『うわ、なんか気持ちわる!』と思っていました(笑)。高3の12月ごろ、ちょうどTikTokとかやり始めて。15秒くらいの短い曲を作ってみようと思い、クリスマスソングっぽいのを投稿したのが確か最初だったと思います。ちなみに2曲目にできたのが『ワンナイト』でした」 スポーツ推薦で大学へ進んだかやゆー。しかし小さい頃から今に至るまで、彼には「将来の夢」が何一つなかったという。 「適当に『宇宙飛行士』『消防士』とか書いていたけど、本気でなりたいとは思っていなくて。高2の頃、部活で腰を痛めた時に理学療法士にお世話になったことがあり、『看護学部とかあれば、女の子もいっぱいいるだろうし』くらいの理由で入ったから、勉強するのも面倒くさくて(笑)。結局大学もコロナでオンラインだったんです。つまらなすぎて、どんどん行かなくなっていきました」ちょうどバンドが軌道に乗り始めた頃、大学を辞めたかやゆー。しかしそれは、音楽活動に専念したかったからではなく「面倒くさかったから」だという。 「もちろん、バンド頑張ろうとは思っていたけど、それも退路を断ったからとかではなくて。『やっと面倒くさい大学から解放された!』くらいにしか思っていなかったですね。今もそうだけど、先のことが決まっていなくても全然焦らないんです。音楽ができなくなったらまあ残念だけど、『なんとかなるさ』のスタイルで生きている。シンプルに言えば、『逃げてる』んです。バンドに関しても『覚悟』とかないし」 そういうかやゆーの刹那的な生き方や考え方が、楽曲の中にダイレクトに反映されている。だからこそヤングスキニーの音楽は多くの人たちから共感され、大きな支持を得ているのだろう。 「そうですね。僕は本当にリアルな、半径数メートルくらいのことしか歌詞にできないし、自然とそういうふうな曲になって、たくさんの人に共感してもらえているのかなと。とはいえ、受け手がどう思うかも正直そんなに考えていない。自分がその時に思っていることをそのまま書くだけです」 最近はもっぱらパチンコが趣味だというかやゆー。本人曰く「友達も全然いない」ので、決まったメンバー2、3人でずっと飲んでることが多い。 「最近は酒癖が悪くて禁酒してるし、倒れるまで飲むこともあんまりないですけどね。あとはYouTubeでお笑いの動画を見たりして。1、2年前は古着屋とかめっちゃ回って、ツアーで地方に行った時や、仕事がオフの日は古着屋を巡るくらい好きだったのですが、最近は『めんどくせえな』と思ってしまって(笑)。もう古着巡りの趣味は、スウェットに下駄で出歩くようになってから全くなくなりました」