国立科学博物館のクラファン、1日余りで4億円に迫る 館長「期待の大きさをひしひしと感じる」
国立科学博物館が、標本・資料の管理資金の補填を目的に実施したクラウドファンディングが、8月7日のスタートからわずか1日余りで3億9000万円を突破した(記事執筆時点)。 【画像】科博が収集してきた動物標本や化石を見る 当初の目標金額だった1億円は、初日夕方の段階で達成。オリジナルグッズやバックヤードツアーなど、リターン(返礼品)の豪華なラインナップも反響を呼び、すでに4億円に迫ろうとしている。 国立科学博物館の公式X(旧Twitter)では、館長・篠田謙一さんと副館長・真鍋真さんから感謝のメッセージ動画が公開された。
かはく篠田館長「期待の大きさをひしひしと感じます」
篠田謙一館長は、「(目標金額の1億円の達成は)難しいと思っていたが、突破することができました」と報告。 加えて「多くの人が短い間に賛同してくれたことに驚くとともに、期待の大きさをひしひしと感じます。今後も科学博物館の活動にご注目、ご協力いただければ」とコメントした。 真鍋真副館長も、目標金額突破に感謝や驚きを述べるとともに、「リターンのグッズやイベントなど一生懸命準備して、みなさんを後悔させないようにしたいと思います」と意気込む。 さらに今後の国立科学博物館の活動にも触れ、「クラウドファンディングに参加してよかったなと、長い間思ってもらえるように頑張っていきたい」と力を込めた。
500万点以上の標本・資料の管理資金が逼迫
国立科学博物館は、1877年に創立。独立行政法人国立科学博物館が運営する、自然史・科学技術史に関する国立の唯一の総合科学博物館だ。 台東区・上野にある本館では、常設展示に加え継続的に企画展・特別展が開催され、夏休みシーズンはもちろん、平日・休日問わず人気を博している。 さらに、科学博物館としては、「調査研究」「標本・資料の収集・保管」「展示・学習支援」という3つの活動を展開。 今回クラウドファンディングで支援を募ったのは、活動のうち「標本・資料の収集・保管」に関する資金が危機的状況に陥っているからだ。 コロナ禍で激減(2019年度は約7.5億円、2020年度は約1.5億円)した入館料収入に、光熱費・物価の高騰が重なった。 500万点を超える標本・資料を適切に管理する資金が逼迫した状況にあるとして、8月7日にプラットフォーム・READYFORでクラウドファンディングをスタートしていた。