メジャー挑戦の佐々木朗希に異例の育成プラン 「リリーフ起用でタフな投手に」
■「リリーフ起用で心身がタフになる」 佐々木が山本や今永昇太(カブス)のように完成度が高い投手ではないという評価は、メジャーの各球団で一致している。投げる球は超一級品だが、肉体が出力に耐えられず、何度も故障で離脱してきた。23歳とまだまだ若い。焦らず、数年後に先発ローテーション入りを目指してステップアップすることになるだろう。各球団がどのような佐々木の育成プランを持っているかも注目される。 3Aで実戦登板を積み、機が熟したタイミングでメジャー昇格へ。このような育成方針を描いている球団が多いと思われるなか、西海岸のある球団は佐々木との交渉で異色の育成プログラムを提示する可能性があるという。 米国で取材するスポーツ紙記者がこう語る。 「佐々木が希望するなら、という条件付きになりますが、ある球団はリリーフでの起用法を検討しているそうです。もちろん将来は先発の柱になってほしい投手ですが、球数を制限することで肘、肩に負担を掛けず、短いイニングを全力で投げることで出力も上がる。先発よりも登板数が多いので『投げる力』を養い、心身がタフになります。リリーフで経験を積んでから先発に回す育成法は決して悪いとは思いません。山本、千賀滉大(メッツ)も1軍で頭角を現した時はセットアッパーでしたからね」 山本は高卒1年目の17年に先発で5試合登板したが、翌18年はすべて救援で54試合に登板。4勝2敗1セーブ32ホールド、防御率2.89をマーク。その後は先発に再転向し、最多勝を3度、最優秀防御率を4度獲得するなど球界を代表する投手に駆け上がった。 育成入団の千賀も評価を高めたのは救援での活躍だった。高卒3年目の13年に51試合の救援登板で1勝4敗1セーブ17ホールド、防御率2.40をマーク。16年以降は先発で7年連続2ケタ勝利を挙げ、メッツに移籍した昨年も12勝を挙げている。 今季4年ぶりのV奪回を飾ったソフトバンクでは、救援から先発転向したモイネロ、大津亮介の活躍が光った。