Bユースの強豪、名古屋ダイヤモンドドルフィンズU18を率いる大西順「トップチームと連携し、個性を生かす指導を」
「今後はキラリと光るものが何個もないと通用しない」
――Bユースチームの当面の課題は何でしょうか。 今、思いつくのは2つあって、一番難しいのは、Bユースには将来プロになりたい選手が集まっているので、その選手たちが「何を武器にすればプロになれるか」というところに取り組むことです。今後、BリーグがBプレミアになった時には外国籍選手が増えて、日本人選手がどうやって生きていくかも課題になります。そこで、昔はキラリと光るものが一つあれば良かったかもしれませんが、今後は何個もないと通用しなくなります。チームの台所事情でインサイドをしている選手がBリーグを目指すのであれば、オールラウンダーに育てながら、その中で勝てる形をいかに作るか。そこは難しいですが、トライしたいところです。 もう一つは、先ほど部活動は1対1が強いと言いましたが、他にもルーズボールを取り切るような泥臭さや、ひたむきさや一生懸命さがあると感じていて、そこはバスケットボールをする上で根幹になる部分です。自分も部活動出身ですので、今のユースの選手たちを見ていると、そういう泥臭さは足りない部分だと感じています。 Bユースはトップチームと連携して同じ戦術で戦っているので、戦術やスキル面ばかりにどうしても目が行くんですね。そんな中で、最終的に勝敗を決するのは、どっちにボールが転ぶか分からない時に「取り切る力」だと思っているので、そういった面は先ほども言ったように、同じ愛知県内の高校と練習試合をすることで鍛えられています。 ――Bユースのチームは戦術優先ということで、足りないと感じる泥臭さに関しては、体力、フィジカル、メンタルの練習はどうしても少なくなってしまうのでしょうか。 そこは、どうしても少なくなってしまいますね。私たちのチームでもミスをした後にヘッドダウンしてハリーバックしないとか、次のプレーに集中できていないとかあるので、そういう時は厳しく指摘します。そこはやっぱり、バスケットボールマンとして大切なところだと思うので。 ――部活動のコーチの方に聞くと、学校で集団生活をすることで絆が生まれたり、様々な人間関係の中で役割をこなすことで「頑張り切る力」をつけることがある、という話をよく聞きますが、その点は、放課後と休日に集合するBユースと違いはありますか? 学校生活の影響は大きいと思います。「同じ釜の飯を食う」じゃないですけど、一緒に学校生活や寮生活を送ることで、チームの一体感が高まるのは間違いありません。学校や部活動にはいろんな人がいて、いろんな問題が起きますから、そういった中で集団生活をすることで、トラブルや喧嘩があっても、解決手段や乗り越える絆ができて、人間関係を学べると思うんです。そこはどうしてもユースチームの弱いところで、いまだに課題としてあります。そこはうるさいと思われるかもしれませんが、チームの絆については逐一指摘するようにしています。
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