朝倉未来「引退宣言」でブレイキングダウンはどうなる? 「バカ発見器」と言っていた青木真也の意外な本音
19日、YA-MANに“77秒KO負け”を喫した朝倉未来。試合後は“引退宣言”とも取れる発言をしたことで、今後の去就が注目されている。朝倉といえば、登録者300万人超を誇る人気ユーチューバーで、1分間格闘技「Breaking Down(ブレイキングダウン)」をプロデュースしCEOを務めることでも知られる。だが、その人気の一方で、格闘家たちからは辛辣な批判があることも事実。もし朝倉が格闘家を引退したら、ブレイキングダウンはどうなるのか。過去にブレイキングダウンを「バカ発見器」と指摘していた格闘家の青木真也に“本音”を聞いた。 【写真】激化する「アウトロー系YouTuber」について語る元関東連合幹部はこちら * * * ――YA-MAN選手と朝倉選手の一戦をどう見ましたか。 見た人の楽しみ方が問われる試合でしょうね。「YA-MAN選手が勝った」とみるのか、「朝倉選手が負けた」とみるのか。どの視点に立つかによって見え方が違ってきます。こういう試合だった、という正解はなくていい。なんでも答えを出したがる時代ですが、さまざまな視点から想像することが大切だと思います。 ――朝倉選手といえば人気の「ブレイキングダウン」をプロデュースしたことでも有名ですが、いわゆるヤンキー同士がリングで戦うことに対して「格闘技の未来がなくなる」など、格闘家や元格闘家から批判の声も出ました。 僕はブレイキングダウンを否定しようとは思いません。選手がブレイキングダウンを批判するのって、滑稽だしダサいですよ。自分のやっていることに自信がないんでしょうね。銀座の高級すし店が、小さな子どもがいる家族が行くようなチェーンのすし屋を「あんなものはすしではない」なんて批判しませんよね。自信があれば批判は必要ないんです。
■ブレイキングダウンとは「フィールドが違う」 ――「ヤンキーが輝く時代になった」との批判もありました。 ああいうものがあってもいいと思いますよ。ブレイキングダウンによって救われている人は間違いなくいるはずですから。 ――救われている、とは? 不良だからイカン、と言いたい人もいるのでしょうが、じゃあブレイキングダウンのような場がなくなったら、彼らは余った力をどこに使うのか。良からぬ方向に使わないとも限らないですよね。そういう意味では、ブレイキングダウンは社会に有益だと思いますし、そもそも不良からプロの格闘家になったとか、チャンピオンになった話って昔からあったじゃないですか。格闘技って、そうした不良たちにとってのセーフティーネットの役割もあったはずなんです。 ――青木さんは、格闘技とは「芸事」で「アート」だともおっしゃっていますが、ブレイキングダウンはその範疇に入りますか。 まったく別物、フィールドが違いすぎます。大きな意味では格闘技に入るとは思うし、人気なのは事実ですから、格闘技を名乗って格闘技への関心を集めてくれるのは、まわりまわってありがたいとは思いますけどね。 ――青木さんは「バカ発見器」と動画でおっしゃっていましたが、格闘技ファンの方からも、あれは違うとの声が出ています 別物過ぎて腹も立ちません。ブレイキングダウンがやっていることは「それっぽい」で、僕がやっていることは「それ」なんです。大切なのは「解像度」です。ブレイキングダウンはこだわりがないから、ぼやけている。僕は一つ一つの作りを大切にしたい。ブレイキングダウンを見れば、逆に違いが分かってもらえると思っています。