久保建英が語るヘタフェ移籍を決断した理由
「勝利という結果を手にできたことが重要ですし、直接的ではないにしても、2つのゴールに絡めたことは自信になります」 新しいチームメイトたちからの信頼を一気に勝ち取る、強烈なインパクトを与えたデビュー戦を久保はこう振り返った。ともにバルセロナの下部組織出身である22歳のMFマルク・ククレジャ、23歳のMFカルレス・アレニャとのコンビネーションを問う質問には、こんな言葉を返している。 「カルレスともクク(ククレジャ)ともこれまでに一緒にプレーしたことはありませんが、それでも彼らとは最初から理解し合うことができました。他のチームメイトたちも僕を助けてくれますし、非常に快適だと感じています。監督も守備と攻撃とでどのように機能するのかをしっかりと説明してくれましたし、すべてが僕の適応を早めることを助けてくれています」 5シーズン目の指揮を執るボルダラス監督のもとで、ヘタフェはサイズとフィジカル能力の高さに恵まれた選手たちが、攻守両面でインテンシティーの高いプレーを繰り広げる“武闘派集団”としてラ・リーガ1部のなかで異彩を放ち、2018-19シーズンには5位に躍進した。 例えばエルチェ戦で久保が途中から入った中盤の右サイドは、サイドバックでもプレーする身長188cm体重81kgのアラン・ニョムがファーストチョイスだった。ただ、すぐに対策を講じられる勝負の世界ゆえに今シーズンは苦戦を強いられ、久保が加入する前の時点では20チーム中で16位に低迷。原因はリーグワーストタイにランクされていた、わずか12にとどまっていた総得点にあった。 既存の選手たちとは明らかに毛色が違う久保、そしてバルセロナからひと足早く期限付き移籍で加入していたアレニャの存在は、後半戦の巻き返しへ必要となる化学反応への触媒となってほしい、というボルダラス監督の希望と言っていい。もちろん守備面のハードワークも豊富な運動量も要求されるなかで、救世主として期待されている現状への喜びを、久保は独特の表現で表している。 「人生のなかで最も好きなフットボールのために、自分に足りないことはすべてやります。チームを助けるために、できる限りのことをやりたい。自分の入団がチームにとってポジティブなことになればと願っています。さまざまなオプションが生まれることは、常にいいことだと思っているので」