【2023秋着物トレンド】3大潮流は「洋服感覚」「推し活」「金銀彩」!?編集部員が語り合い
取材・撮影でさまざまな着物作家・メーカー・問屋や呉服店を訪れた編集部員6名(A~F)が、誌面を作るなかで発見した春の着物トレンドを語り合います。 撮影=水田学(NOSTY) 奥村康人(NEWS) 「美しいキモノ2023年秋号」より
モダンな柄や澄んだ色彩、すっきりした柄ゆき…「洋服感覚」で楽しめる着物が花盛り!
A: 最新の着物や帯にはどんな傾向が見られましたか? B: 最もトレンドを反映しているのは織りの着物を使ったパーティスタイルだと思います。いわゆる“ちょっとした”パーティへ、織りの着物が重宝されていると感じました。御召などツヤ感や地紋のある無地感覚の着物を、古典柄などある程度格調のある帯を合わせて格上げするスタイルです。 C: 従来なら色無地で出掛けたところを、もう少ししゃれ感を出したい気持ちの表れでしょうか。こうした要望を受けてか、地紋や色彩が洗練された織りの着物がたくさん見られましたね。 <写真>織りの着物で楽しむパーティ。爽やかなアクアブルーに市松と斜め格子を組み合わせた地紋の着物に、唐草模様の袋帯をコーディネート。モダンなパーティスタイルです。 ヘア&メイク=光倉カオル(ダイナミック) 着付け=奥泉智恵 モデル=生方ななえ 撮影協力=Q.E.D.CLUB きものと帯/栃木・蔵の街の呉服屋 丸森 帯〆と帯あげ/山﨑 バッグ/衿秀
アイデア次第で楽しめる「推し活」着物も
D: 「推し活」着物もホットなトピックだと思います。近年「推し活」という言葉が一般化しましたが、じつは着物の世界でお目当ての演者や演目にちなんだ装いは、ずっと昔からの風習ですよね。歌舞伎役者の名前が付いた模様はたくさんありますし、ちなみ柄や特定の物語の場面を想像させる柄付けも定番です。 E: いまの着物や帯には、現代的なモチーフの柄や、ビビッドな地色も多いため、演目やテーマカラーを表現しやすいと感じました。月や星の柄で宝塚歌劇へ、トリコロールの色合わせでフランスが舞台の作品を観に…。アイデア次第で様々な場面に意味深な装いで臨めると思いました。 <写真>パリの街並みが刺繡で表された白地の帯を主役に。ブルーの付けさげと赤の小物を合わせてトリコロールカラーに。フランス関連の演目に最適な「推し活」コーデ。ヘア&メイク=光倉カオル(ダイナミック) 着付け=奥泉智恵 モデル=林田岬優 撮影協力=日生劇場 きものと帯/貴久樹 帯〆/渡敬 帯あげ/衿秀 リング/ポメラート[ポメラート クライアントサービス] バッグ/カドゥ京都 ぞうり/伊と忠