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「大阪人の誇りに穴開いた」、新世界のシンボル消える

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読売新聞オンライン

 大阪・新世界の老舗フグ料理店「づぼらや」が15日、閉店した。新型コロナウイルスの感染拡大の影響で4月から休業したままで静かな最終日となったが、地元住民らは、大阪のシンボルだったフグの巨大ちょうちんや、名物の「てっちり」の味との別れを惜しんだ。(大原圭二、阪悠樹)  づぼらやは1920年創業。当初は定食などを提供していたが、約70年前に野菜と一緒に煮込んだ「フグ汁」を出したところ、評判を呼び、やがてポン酢で食べる「てっちり」が看板メニューになった。新世界本店の店先につるされたフグのちょうちんが、通天閣を背景に空を泳ぐような光景は多くの人に親しまれた。  しかし、コロナの影響などで経営が悪化し、運営する「松田興産」(大阪市)は本店と道頓堀店の閉店を決めた。フグのちょうちんは今月3日に撤去され、大阪市内の倉庫に保管されているが、今後の活用の見通しは未定だという。  本店では閉店の日を迎えたこの日もシャッターが下りたままだったが、「ほな! さいなら」などと記された店前の垂れ幕を写真に収める人の姿が見られた。大阪府松原市から訪れた大学1年の女性(19)は「最後にフグのちょうちんと一緒に写真を撮りたかったけど、間に合わなかった。大阪人の誇りに穴が開いたような思いです」と残念がった。  地元で酒店を営む上杉和功さん(58)は、幼い頃からよく家族で食事に訪れたといい、「ポン酢の味にパンチがあってほかでは味わえなかった。新世界がコロナ禍から立ち直る時に、街の象徴としてあり続けてほしかった」と惜しんだ。通天閣を運営する「通天閣観光」の高井隆光社長(45)も「通天閣とフグのちょうちんは、まさしく大阪の二枚看板。その一つがなくなり寂しいが、今はねぎらいの言葉を贈りたい」と話した。

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