「佐々木朗希はメジャーで通用しない」広岡達朗が持論「1シーズン元気に投げられないし、なぜフォーク多投?」吉井監督の過保護ぶりも疑問
いまの佐々木は大リーグで通用しない
新聞によれば、佐々木は2023年末の契約更改後の記者会見で2024年オフのメジャー挑戦について聞かれ、「将来的にメジャーリーグでプレーしたいという思いはありますけど、まずはしっかり目の前のシーズンをプレーすることが大事かなとは思っています」と語った。 ところが日本で最後になるかもしれない2024年シーズンも、右上肢のコンディション不良などで2度も戦列を離脱してチームやファンを失望させた。開幕の4月は4試合に先発登板して3勝(1敗)したが、5月・6月は各1勝、8月・9月は各2勝どまりで、防御率も8月が2.96、9月は3.50と、大リーグを目指すエースの投球とはいえなかった。 そんな大黒柱がやっとスポーツ新聞の1面を飾ったのは10月2日。前夜、4位でAクラスに迫る楽天を1失点10奪三振でかわし、やっとロッテの2年連続CS進出を決めた。 佐々木にとってはプロ生活5年目にして初めての10 勝で、オリックス戦で完全試合を達成した2022年4月以来2年ぶりの完投勝利だから、驚くよりあきれてしまう。 10月になってやっと帰ってきたエースを、吉井監督は「いままでは65%の朗希だったが、今日は90%だった」と称賛したというから、新聞も監督ものんきなものだ。私に言わせれば、ファンに最後までBクラス転落を心配させたロッテも、ひ弱なエースがしっかりしていれば楽に2位にはなれただろう。 そんな佐々木を見るにつけ、私は巨人で一緒にプレーをした堀内恒夫を思い出す。甲府の高校から出てきた右腕は身長178センチ・体重73キロの華奢な体で1年目から33試合に登板し、開幕13連勝を含む16勝(2敗)を挙げた。 その後も1978年までの13年間2ケタ勝利を続け、通算18年間で203勝の記録を残した。 しかも彼は、いまだにフォークボールやスライダーを多投する佐々木と違って、伸びのある速球と大きなドロップ(落ちるカーブ)しか投げなかった。 佐々木がCSでどんな投球を見せるか、大リーグのアジア担当スカウトも見守ったが、先日来日した旧知のフロント幹部が私に「佐々木はどうですかね」と意見を求めたので、「ダメダメ。いまだに1シーズン元気に投げられないのだから、10日も20日も連戦があるアメリカで、中4日のローテーションは守れないね」と答えておいた。
広岡達朗