「本当に悲しい」原告の赤木さん無念な思い 森友公文書改ざん訴訟 佐川元理財局長への『尋問認めず』「国家公務員が仕事で犯罪行為しても個人で責任取らないことが証明された」裁判が結審…判決は12月に
森友学園に関する公文書改ざんをめぐる裁判の控訴審で、大阪高裁は13日、佐川元理財局長の尋問を認めない決定をし、裁判は13日に結審しました。裁判後に取材に応じた財務省近畿財務局の元職員・赤木俊夫さん(当時54)の妻・雅子さんは次のように話しました。 【画像を見る】亡くなった赤木俊夫さん (赤木雅子さん) 「実際に裁判官から『却下する』と聞いた時は、『ああやっぱり駄目なんだな』と思いました。傍聴席からも「なんでやねん」みたいな声も聞こえて、本当なんか残念だなと思いました。これでは、夫が亡くなった、死ななければいけなかった理由が、また分からずじまいかなと思っています。悪くないなら悪くないと言えばいいし、自分のしてきたことを言えばいいと思います」 さらに赤木さんは尋問の機会がなくなったことに対して次のように話しました。 「国家公務員の人が仕事の上で犯罪行為をしても、こうやって個人責任を追及されないっていう判例を盾に何の説明もせずに、何の責任も取らずにということが、もう今日証明されたと思うので、本当に悲しい」 「やっぱり佐川さんの指示だったって夫は(手記で)残しているので、もし指示してないのなら、そのことを佐川さんも言いたいと思うんですよ。でも何かの力で佐川さんの発言も抑えられているような気がします。悪くないのだったら、法廷でもいいし、法廷じゃないところでもいいから、自分のしてきたことを言えば恐らく再就職なんか簡単にできると思うんですけど、本当は自分で再就職の道を閉ざしてると思います」
財務省近畿財務局の元職員・赤木俊夫さん(当時54)は、森友学園をめぐる決裁文書の改ざんを強いられ5年前に自殺。妻の雅子さんは、佐川宣寿元理財局長に対し、1650万円の損害賠償を求めたものの、1審で退けられ控訴しています。 雅子さん側は、佐川氏やその部下らを証人として出廷するよう求めていましたが、13日、大阪高裁は、佐川氏らへの尋問は行わないことを決めました。その後、裁判は13日に結審しました。 一方、佐川氏側は、控訴を棄却するよう求めています。 判決は12月19日に言い渡されます。