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眠り過ぎは寝不足よりも身体に悪い!? 正しい睡眠を知る方法。

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VOGUE JAPAN

アルツハイマーや認知症にも深い関連があるとされる睡眠だが、靴のサイズや身長が千差万別であるように、みんなに共通の「正しい眠り方」はないようだ。では、どうすれば自分に合った睡眠を知ることができるだろう? 睡眠科学の専門家たちが、睡眠のメカニズムに基づいた、良質な眠りのためのTipsをアドバイスしてくれた。

「今日はよく眠れたかな……」 毎朝の目覚めとともに前夜の睡眠の質を自問することが、多くの現代人の日課になっているのではないだろうか? 長い間、理想的な睡眠時間は8時間とされてきた。専門家の多くは、おおむねこれが、健康増進のために必要となる平均的な睡眠時間だと同意しているものの、新たな研究結果では、睡眠不足よりも「眠りすぎが健康に有害」となる可能性も指摘されている。本当のところ、私たちはに必要な睡眠時間は、何時間なのだろうか? あるいは、心と身体を毎晩しっかりと休ませるためには、どんな睡眠を取るべきなのか? 睡眠を構成する4つのステージ。 同じ時間眠れば、いつも同じ効果が得られるわけではない。健康増進に貢献する適切な量の休息を実現するには、睡眠を構成する4つのステージすべてのバランスを整える必要があるのだ。カリフォルニア州立大学で脳科学・心理学教授を務め、世界的なベストセラー『Why We Sleep』を執筆したマシュー・ウォーカー博士(Dr. Matthew Walker)は、レム(急速眼球運動、REM)睡眠、および、ノンレム(NREM)睡眠と呼ばれる深い眠りの一部ステージが、身体と脳の疲労回復ならびに健康維持にとって重要であると話す。ではここで、睡眠サイクルの4つのステージをおさらいしよう。 ステージ1 ノンレム睡眠5~10分間持続。身体がリラックスしはじめ、起きやすい状態。 ステージ2 ノンレム睡眠10~25分間持続。心拍数が下がり、軽めの眠りにつく。 ステージ3 ノンレム睡眠 20~40分間持続。これが、最も重要かつ深い(または徐派)睡眠の段階。再生と体の修復のカギを握っており、翌日、十分に休めた気分になれるかどうかを左右する(このステージで目が覚めると、気分がボーっとする)。外的刺激に対する反応が鈍り、起きづらくなる。年齢を重ねるとともに、この段階に費やされる時間は減少する。 ステージ4 レム睡眠もう1つの熟睡段階であるレム睡眠では、脳がはるかに活発に働いている。実際、この段階の脳の活動は、起床中の脳の働きと違いがない。寝言、悪夢、夢中歩行、そして鮮明な夢を経験する可能性が高まるのも、この段階。 人間は、これを一晩で4~5サイクル繰り返している。最初の睡眠サイクルではレム睡眠が比較的短く、ノンレム睡眠が長めになる傾向にあるが、夜が進むにつれてレム睡眠が長くなり、ノンレム睡眠が減少する。つまり、心がより活動的になる一方で、身体はさらに深い睡眠に入るということだ。 睡眠不足は本当に身体に悪い? 現代人は、世界的にまん延した睡眠不足に常時悩まされている。そう考えるのは、ウォーカー博士だけではない。WHOもまた、「先進工業国全般で睡眠不足がまん延している」と宣言しているように、1940年代に、一晩で7時間49分であったアメリカ人(成人)の平均睡眠時間は、現在、6時間31分にまで減少している。あるいは、イギリス人の平均は6時間49分、そして日本では、平均で6時間22分という統計がある。こうした睡眠時間の減少を招いている要因の一つとして、テクノロジーの進化が挙げられる。睡眠不足には危険が伴うとわかっていながらも、私たちは、四六時中「オン」であることが当たり前だとされる社会状況から、逃れられずにいる。 研究によると、特にノンレム睡眠の第3ステージは、脳疾患と関連のある物質であるベータアミロイドを含む、有害物質の排除に重要な役割を果たすことが明らかになっている。アルツハイマー病と認知症が、睡眠障害に関連しているという指摘もある。ウォーカー博士は、こう続ける。 「深い睡眠のステージでは、様々な認知体系とネットワークが修復されます。学習および記憶システムは、睡眠中に短期記憶から長期記憶に移動されます。こうすることで物忘れを防ぎ、いわば記憶が長期的な記憶場所に保存されるのです」 また、うつなどの症状は、睡眠によって著しい影響を受ける場合がある。感情の処理を司る脳の扁桃体と呼ばれる部分(「闘争」と「逃走」を調節する)は、睡眠に直接的な影響を受ける前頭前皮質によって調節されているからだ。また、睡眠不足の影響を受けるのは脳だけじゃない。睡眠には、インスリン、血糖、そして血圧レベルを調整する役目もある。ウォーカー博士は、さらに、一晩の睡眠時間が5時間またはそれ以下の場合、平均8時間の睡眠を取る人と比べて風邪を引く確率が2~3倍高まると述べている。

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