山城でダブル主将を務める池垣（右）と高尾

　日本高野連は１３日、第９７回選抜高校野球大会（来年３月１８日から１３日間・甲子園）の２１世紀枠候補としてプロ野球阪神の元監督、吉田義男氏（９１）の母校で秋の京都府大会４強入りを果たし、全国に１５校しかない夏の地方大会皆勤校の山城（近畿＝京都）、激戦区の神奈川で８強入りした横浜清陵（関東・東京＝神奈川）など９校を発表した。来年１月２４日の選考委員会で２校が選ばれる。 　虎レジェンドの母校が１９６１年夏以来６４年ぶりの聖地に一歩近づいた。１９０７年創部の伝統校を率いる山城・岸本馨一郎監督（４０）は「まさかうちが選んでいただけるとは。うれしい気持ちです」と頬を緩めた。 　８５年に阪神を初の日本一に導いた吉田義男氏の母校。「Ｙ」と「Ｈ」が重なる野球部のロゴは吉田氏在籍時に作られたデザインで今も部員たちに受け継がれている。同校ＯＢの岸本監督が２年前に吉田氏に会った際には「もう一回阪神の日本一と山城の甲子園が見たい」とエールを受けたという。 　他の部活と共用のグラウンドで練習試合も自校でできない環境の中、春の聖地に行くチャンスを残した。「かっこいいユニホームを吉田さんにもう一回甲子園の舞台で見ていただけたら」と指揮官。偉大な先輩の思いも背負い、吉報を待つ。