手続きミスで5億3千万円を国に返還 佐倉市、コロナ臨時交付金 救済措置認められず、市長陳謝
コロナ対策で国が自治体に配る地方創生臨時交付金を巡り、佐倉市で2020年度から21年度への繰り越し手続きにミスがあり、市が総額約5億3千万円を国に返還することが28日、分かった。市は再発防止のため検討委員会を設置する予定。同日の臨時議会で西田三十五市長は「信頼を損ない、おわび申し上げる。職員の意識改革を行うとともに、再発防止に向けた取り組みを徹底する」と謝罪した。 市によると、20年度は3回にわたって計約18億8597万円の同交付金を受けた。このうち5億6844万円が同年度内に執行し切れなかったため、21年度への繰り越し手続きを実施。その際、市が県を介して行った国への申告で記載金額のミスや確認不足があり、5億3090万円余りを国に返還することになった。 内閣府に救済措置を求めたが、認められなかったという。市の担当者は「市としては繰り越しの手続きが認められるものだと認識していた。市の認識が不足していたし、確認漏れもあった。大変申し訳ない」と述べた。 市は21年度の執行状況から約1億5818万円の返還を見込んでいたが、返還額が膨らんだため、28日の臨時議会に、不足分の約3億7272万円を計上した21年度補正予算案を提出。財源は財政調整基金を充てた。 同案は賛成多数で可決。賛成した議員の一人は「否決すれば国への延滞金が発生する。これ以上、傷口を広げないため」と主張。反対した議員は「市民に説明できない」「コロナ対策は最重要課題。再発防止策を示してから(議案を)再提出するべき」と述べた。