ゲーム会社に勤める「超優秀な神絵師」がチームをクビに。仲間と共に神ゲーを作って社内へ革命を起こす!【書評】
ゲーム業界のリアルを描いた『え、神絵師を追い出すんですか?』(宮城こはく:原作、乙津きみ子:漫画/KADOKAWA)。本作は、神ゲー作りに心血を注ぐ神絵師と仲間たちによる痛快な逆襲物語である。 【漫画】本編を読む
夜住彩は、大手ゲーム開発会社で働くデザイナー。会社では正体を隠しているが、実は超人気の「有名神絵師」でもある。しかし、無理解な上司らによってチームを追い出された挙句、自主退職へ追いやるためのキャリア開発室に異動させられてしまう。 途方に暮れる中、同期のプランナー・真宵学と意気投合。おかしな会社の風潮を変えるため、神ゲー制作を目指すのだった。 一方上司たちは、チームを支えていた彩の重要さに段々と気がつき始める。2人は神ゲー制作に向けてどんな企画を作るのか。そして彩の上司たちはどんな行動をとるのだろうか。 過去にゲーム会社で勤めた経験のある筆者は、本作がものづくりの現場のリアルや想いを丁寧に描いている様に心を揺さぶられた。 ゲーム制作で欠かせないのは、一番楽しませたい相手・ターゲットを明確にして掘り下げること。ターゲットが何を楽しいと思うのか?を知り企画に落とすことは、まさにゲーム企画の要であり難所とも言えるだろう。彩と学がターゲットについて試行錯誤する様子は非常にリアルだ。デスクで考えるだけではわからない「ターゲットが求めるもの」に2人がどうやって辿り着き、どんな神ゲーを作るのか。ぜひ、皆さんも企画者の立場になり一緒に考えてみてほしい。 ものづくりに懸ける熱い想いに、きっとあなたの心も動かされるはず。爽快で情熱的な物語をぜひ手にとっていただきたい。 文=ネゴト / fumi