山口紗弥加「ひとつの希望となれるような作品を」 “ふびんな妻”から人生一発逆転を目指す女性を熱演!<Interview>
1月22日(金)にスタートするドラマ「ドリームチーム」(夜10:00-10:45、NHK総合)の合同取材会が行われ、主演を務める山口紗弥加が登壇した。 【写真を見る】人生の再出発を目指す香菜(山口紗弥加)、優子(財前直見)、茜(桜庭ななみ) 同作は、高校時代にバスケットボール部のキャプテンとして青春をかけたという共通点を持つ3人の女性が、逆境を乗り越え、一度はつまずいても新たな人生へと一歩踏み出していく、すがすがしい姿を描く物語。 バスケ部の恩師・安東(伊武雅刀)のお別れ会に集まった元女子部員たち。中でも、“ステキ主婦”からふびんな妻へ転落した主人公・香菜(山口)、突然の左遷&彼の浮気発覚に沈む優子(財前直見)、そして、“盛った”ことがばれてSNSが大炎上した茜(桜庭ななみ)は、ひときわ不幸のオーラをまとっていた。 そんな3人は、ひょんなことからバスケ寮で共同生活を送ることに。それぞれが懸命に変わろうとする中、果たして彼女たちの人生に一発逆転は訪れるのか。 今回、夫・圭吾(前川泰之)の女子大学生へのセクハラ、アカハラが原因で家庭、人生全てを失いながらも、“人生の再出発”を目指す香菜を演じる山口に、ドラマへの出演が決まった時の思いや、撮影中のエピソードを聞いた。 ――制作発表の際のコメントで「等身大の女性を演じたいと思っていた」とおっしゃっていましたが、ご出演が決まった時のお気持ちを教えてください。 「怖い」というイメージを持たれるような人物を演じることが続いていました。そういう役柄にはとても魅力を感じ、嬉々として演じさせていただいていたのですが、自分とはかけ離れた部分もあり、想像を膨らませながら演じることが多くて。 そのため、演じる役に対して共感できたりとか、撮影現場で感じたことや、相手の役者さんとのやり取りの中で生まれてきたものをそのままの純度で、誇張せず、計算することなく、丁寧に想いを紡いでいくような…自分自身の延長線上にあるような役を演じてみたいと思っていた中でいただいたお話でしたので、とてもうれしかったですね。 ■山口紗弥加「無防備な私たちがそのまま出ているなと思う瞬間も」 ――台本を読まれた時の感想はいかがでしたか? 香菜、優子、茜という年代も境遇もバラバラの3人の掛け合いがとても面白くて。それぞれの世代を背負ったようなセリフも多く、物事に対する感覚が年代によってこんなにも違うのかと驚きました。 思ったことをそのまま直球で言葉にする人たちなので、時にはケンカにも似たやり取りが繰り広げられるのですが、それがなんとも爽快で、気づくと笑顔になっていました。それぞれのキャラクターがとても生き生きと描かれていて、個性派揃いのチーム戦の行き着く先が楽しみです。 ――元バスケ部で、“ステキ主婦”からふびんな妻へ転落した主人公・香菜を演じるに当たって、どのような準備をされましたか? 日本最高峰といわれる桜花学園高等学校のバスケットボール部の皆さんの練習を見学させていただきました。本物の試合さながらのハードな練習を目の当たりにして、だからこそ、ストレス耐性も身に付くのだろうなと感じました。台本を初めて読んだ時に、実はどうしても分からないことがあって…香菜はどうしてこんなに酷い夫を献身的に支え続けることができるのかなと不思議に思っていたのですが、それはきっと部活動で培われた根性や、困った時こそ笑顔で突破口を見つける習慣が身に付いていたからなんだと納得でき、とても勉強になりました。 また、バスケットボールについて漫画「スラムダンク」で勉強したり、指導してくださった先生が、上達するためにはとにかくボールと触れ合うことが大切とおっしゃっていたので、ボールを胸に抱いて眠っていました(笑)。 ――実際にバスケットボールをやるシーンの撮影もあると思うのですが、手応えはいかがですか? 初めての練習ではできなかった、例えば、ボールから目を離した状態でのドリブルがたった数回でもできるようになると、小さな達成感があって、私の中でのささやかな自信につながるようなところもあって。何かをクリアする、乗り越えることって想像以上に大きな力を与えてくれるのだと、思い出させてくれました。 ――財前さん、桜庭さんとの撮影の雰囲気はいかがですか? 「何だ?この居心地の良さは...!」と思えるほど、楽しすぎる現場です。1日顔を合わせないだけでも、寂しいなと思ってしまいます。とくに3人の掛け合いのシーンでは、カメラが回っていないところでの無防備な私たちがそのまま出ているなと思う瞬間もあったりして。演技をしている感覚はほとんどゼロです(笑)。 ■山口紗弥加「『不可能って、本当に可能にできるんだ』と」 ――ドン底にいる香菜たちの背中を後押しするのは、バスケ部の恩師・安東先生の言葉「最後まで攻めろ!」ですが、山口さん自身、大切にされている言葉はありますか? 「NODA・MAP」に出演させていただいた時のことですが、私はその作品の中で2役演じていて、早替えが必要になるところがたくさんありました。あるシーンで、着替えの時間が数十秒しかなく、かつ、私一人で衣装から髪形、メイクまで変える必要があり、思わず「不可能だと思います」と言ってしまったんですね。 その際、衣装を担当してくださっていたワダ・エミさんが、「不可能はない。そう思うならあなたが可能にしなさい」とおっしゃって、最初は戸惑ったのですが、試行錯誤しながら練習を重ねると、リハーサルでクリアすることができたんです。人生ではどうにもならないことの方が圧倒的に多いかもしれないけれど、自分次第でなんとかできることもある、「不可能って、本当に可能にできるんだ」と知り感動しました。あの時、あの言葉をいただかなかったら、きっと挑戦なんてしていません。とてもいい経験になりました。 そして現在、香菜を演じるにあたってワダさんの言葉を毎日思い出しています。あのときの感動が、香菜の、私自身の原動力になっています。諦めなければ、願いは、届く。そう強く信じて、小さくてもひとつの希望となれるような作品を…視聴者の皆さんにお届けしたいと思っています。