【イベントレポート】吉沢亮がTAMA映画賞最優秀男優賞へ「縁を感じます」、藤竜也は俳優業を山道に例える
第16回TAMA映画賞の授賞式が本日11月30日に東京・パルテノン多摩で行われ、最優秀男優賞を獲得した藤竜也と吉沢亮が登壇した。 【画像】TAMA映画賞最優秀男優賞の吉沢亮 同賞では、本年度もっとも観客の心に残った男優が表彰される。「大いなる不在」で認知症の元大学教授・陽二を演じた藤が「選んでいただきありがとうございます。バリバリのトップランナーたちに混ぜていただき、私もまだまだ現役のようでうれしいです」と挨拶すると、会場からは大きな拍手が。続けて彼は「長年俳優をやっているので、山道を歩いているようです。いい加減くだびれてきましたよ、足も痛いしね。だけど今日は、後ろから肩を叩かれてTAMA映画賞って人が私に冷たいおいしい水を『元気出して』と渡してくれたようで。生き返りました、ありがとう」と述べる。 藤は「後ろを振り返るのは嫌いなんです。撮影が終わると、台本を捨てるのが楽しみ」とジョークを飛ばしつつ、「大いなる不在」に関して「いい作品に恵まれ、出させていただきました。海外の皆さんに観ていただけるのもありがたいです」と伝える。さらに藤は同作のスタッフやキャストに感謝を述べながら、「脚本を読んだとき、面白いと思わなかった。でも出来上がった映画を観たら、年甲斐もなく興奮して魂を持っていかれました。私は何年経っても台本を読む力がないんだな......」と発言し、笑いを誘った。 吉沢は「ぼくが生きてる、ふたつの世界」「キングダム 大将軍の帰還」「かぞく」での演技が評価され受賞。緊張した様子で現れた吉沢は「6年前にTAMA映画賞で最優秀新進男優賞受賞をいただき、特別な思い出があります。また30歳になる年にこのような賞をいただけて、縁を感じております」と感慨深げにコメント。「ぼくが生きてる、ふたつの世界」でコーダ / CODA(Children of Deaf Adults)として育った青年・大を演じた吉沢は「手話は眉毛の動かし方1つで文法が変わることがある。手話でのコミュニケーションは表情が豊かになるんです。大は寡黙なイメージだったので、自分の考える芝居と手話の表現が矛盾する瞬間もあり、擦り合わせることが大変でした」と述懐する。 続いて同作の監督・呉美保がステージへ。呉は「お話しをいただいたタイミングで、この作品で“新しい吉沢亮”が見られるんじゃないかと観客の立場で想像しました。プロットの段階でオファーさせていただきました」と明かす。吉沢は「いつか絶対にご一緒したいと思っていた監督でしたので、すごく光栄でした」と感謝を伝える。また今後の抱負について彼は「今までと変わらず、自分が好きな作品で愛する役を演じていきたいです。がんばります」と力強く語った。 映画ナタリーでは、同授賞式の様子を引き続きレポートする。