合意から18年、沖縄駐留の米海兵隊がグアム移転開始…基地負担の軽減が進行
中谷防衛相は14日、沖縄県に駐留する米海兵隊の約100人が米領グアムへの移転を開始したと発表した。2006年に日米両政府が在日米軍再編計画に合意して以来、海外への部隊移転が実現したのは初めてで、沖縄の基地負担軽減が具体的に進むことになる。
移転を開始した約100人は「第3海兵機動展開部隊」の後方支援要員で、25年中に完了させる。防衛省は移転の開始時期については明らかにしていない。
日米両政府は、沖縄県内の隊員ら約1万9000人のうち、最終的には約9000人を海外移転させることで合意しているが、残りの移転時期は未定という。中谷氏は訪問先の同県名護市内で記者団に対し、「海兵隊員の国外移転の第1弾だ。移転は今後、段階的に行われる」と述べた。
沖縄の海兵隊の海外移転は、日米が06年に決定した在日米軍再編最終報告に盛り込まれた。当時は14年までにグアム移転を完了させる計画だったが、日本の民主党政権下で米軍普天間飛行場の名護市辺野古への移設が停滞した影響で一時凍結された。12年12月に凍結は解除され、米側の準備を待った上で、今年7月の外務・防衛担当閣僚による日米安全保障協議委員会(2プラス2)で年内の移転開始が確認された。
米海兵隊は、中国や北朝鮮などへの抑止力や対処力を維持するため、海外移転の完了後も、離島有事に即応する「第12海兵沿岸連隊(MLR)」などは沖縄に残留させる考えだ。