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欧州鉄鋼協会の20年域内需要見通し、11年ぶり1億3000万トン割れ

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鉄鋼新聞

 欧州鉄鋼協会(ユーロフェル)は5日、2020年の域内鋼材見掛け消費が1億2800万トンになるとの見通しを発表した。新型コロナウイルスの影響で前年比16%減となり、リーマン・ショック直後の09年以来の1億3千万トン割れを見込む。  ユーロフェルは1月時点で20年の鋼材見掛け消費を1億5900万トンと予想したが、新型コロナの感染拡大を受け取り下げていた。今回はコロナ影響を織り込み、3千万トンほど下振れる形になる。四半期別では、4~6月期が前年同期比31・8%減と落ち込みが最も大きく、7~9月期で17・2%減、10~12月期で4%減と想定している。  19年は5・3%減の1億5300万トンだったとし、従来の公表値から100万トン下方修正した。20年1~3月期はこの弱基調が続き12%減の3760万トンだった。  20年内はコロナ収束が読めないことから本格的な需要回復を見込んでいない。21年は1億4600万トンへの増加を予想するが、なおコロナ前に及ばず12~14年並みの低水準にとどまりそうだ。英国によるEUからの「合意なき離脱」も不確定要素と指摘している。  英国鉄鋼メディアのカラニッシュによると、欧州北部の熱延コイル市況はコロナ感染拡大後に約80ユーロ下落し、トン当たり390~415ユーロ(約5万1千円)と16年4月以来の安値圏にある。収益力が高いことで知られるオーストリアの高炉メーカー、フェスト・アルピーネが5日に発表した4~6月期連結決算は営業損益が4870万ユーロの赤字(前年同期は1億5670万ユーロの黒字)、最終損益が6970万ユーロの赤字(同9040万ユーロの黒字)に沈み、域内ミルの業績悪化も深刻だ。  需要低迷の一方、ロシアやトルコ、韓国、インドなどからの輸入鋼材は思うように減らず、欧州内では「脱炭素」に向けた製鉄法の大転換や投資も迫られる。内憂外患の中、独高炉最大手のティッセン・クルップは他社との提携を模索するなどコロナを機に再々編の機運が高まっている。