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アイヌ文様、どうやって守る? 相談先設立、偽物防ぎ「正しく普及を」

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 「かっこいい」「観光資源になる」。民族の美術などの文化は魅力的だ。しかし、もし見ず知らずの誰かに使われたのが、自分自身の家に伝わる象徴や、親や祖父母が考えた図案なら? それが無断でアレンジされ広まってしまったら―。(共同通信=団奏帆)  アイヌ民族として幼少期から木彫や刺しゅうに囲まれて育った釧路市の広野洋さん(55)は昨年8月、アイヌ文様や文化を使いたい際の相談を受ける「阿寒アイヌコンサルン」を設立した。「気軽に相談できる先がなければ使いにくいし、偽物の原因にもなる」  事業のきっかけは、約10年前にさかのぼる。地元の町並みを走っていた、風変わりな模様をあしらったバス。「何の模様なの」「アイヌ文様風のつもりらしい」  アイヌ文様は、衣服に刺しゅうしたり身の回りの道具に彫ったりする意匠。魔よけとの説もあり、地域ごとに特色がある。刺しゅうは母から娘、娘から孫娘へと少しずつ手を加えながら伝えられ、基本的には一つとして同じ文様の衣服はない。

 自分と先祖とを結びつける性格を持つ文様の「偽物」が地元に現れたのは広野さんにとって「ただただ、残念」だった。どうしたら正しく使われるようになるだろうかと考え、阿寒アイヌコンサルンの事業にたどり着いた。  家庭などに伝わる40近くのアイヌ文様の登録を受け、使いたい企業やデザイナーにつなぐ。登録者には使用料が入り、使途も分かる。文様が使用されるデザインの監修も請け負い、ときには刺しゅう作家らを紹介する。相談は既に約30件に上る。  近年、アイヌ文様を巡るトラブルは後を絶たない。2018年6月には、大阪市の着物店が文様柄の浴衣を企画。ネット上で「文化の盗用ではないか」「監修は受けたのか」と指摘を受け、発売は中止になった。その後、店側が北海道を訪れて刺しゅう作家に謝罪した。これがきっかけとなり、店と作家の交流が始まった。店主は「やはりアイヌ文様はすてき。文化を学び、監修を受け、今後着物を作れたら」と話す。

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