滝のような汗、イライラ、倦怠感…。すぐに更年期障害を疑う前に、セルフチェックリストで確認してみよう!
産婦人科医の宋美玄先生に、更年期についてわかりやすく解説していただく本シリーズ。前回は、「更年期とは閉経前後の5年、全10年間」と教えてもらいました。シリーズ第2回目は「更年期障害」がテーマ。更年期の女性はみんな経験するようなイメージがあるかもしれませんが、必ずしもそうではないそうです。
40代半ばから女性ホルモンの激減する
こんにちは、産婦人科医の宋美玄です。 個人差はありますが、女性は50歳前後で閉経を迎えます。閉経をはさんだ約10年間にわたる「更年期」は、のぼせやほてり、体の痛み、イライラなど、心身にさまざまな不調が現れやすくなる時期。症状が重く、日常生活に影響を及ぼしている状態を「更年期障害」と呼んでいます。 なぜこのような症状が現れるのでしょうか。更年期が始まる時期、つまり40代半ば頃になると、卵巣の機能は衰え、女性ホルモン(エストロゲン)の分泌が急激に減少します。エストロゲンの低下を察知した脳は、卵巣に「もっとエストロゲンを出しなさい!」と指令を送りますが、機能が低下した卵巣は十分なホルモンを出すことができません。そのため、ホルモンのバランスが乱れて自律神経の調節がうまくいかなくなり、心身に不調が現れるのです。
更年期障害が出る女性は約6割
更年期障害は全員がなるわけではなく、症状が出る人は全体の約6割と言われています。 代表的な症状のひとつが、いわゆる「ホットフラッシュ」です。血管の収縮や拡張がコントロールしにくくなり、ほてりやのぼせ、発汗などが生じます。寒い季節なのに急に顔がカーッと熱くなったり、突然、滝のような汗が流れて止まらなかったり、寝汗をかくようになったり…不快感もさることながら、「恥ずかしいし、仕事に集中できない」「メイクが崩れて人前に出られない」などと、日常生活に支障が出てしまうこともあります。 逆に、冷えを強く感じる人や、「上半身は暑いのに足先は氷のように冷たい」という人も少なくありません。肩こり、頭痛や腰痛、手指のこわばりといった身体的な症状だけでなく、イライラや落ち込み、抑うつなど精神面の症状が出ることもよくあります。 気になる症状があるときは、セルフチェックリストで確認してみましょう。