笑顔溢れる「ボールパーク」で再び日本一の東北へ 楽天が目指す愛されるチーム
着実に進むチームの底上げ
2019年に球団創設15周年を経た東北楽天ゴールデンイーグルス。スタートの分配ドラフト、東日本大震災などさまざまな苦難を乗り越え、2013年には日本一を成し遂げるなど、ファンに愛される球団へと着実に成長を続けている。 【画像】鍛え上げられた体にビシッと決まったシルエットがたまらない! 楽天が球団インスタに公開した3選手のスーツ姿 そこで、その苦楽を振り返りつつ、15年の歩みをたどっていく。第5回は「再び日本一の東北を目指して」。チームの再編、強化を通して行われたチームの底上げ、そして現在の状況と今後の展望について触れていく。 2017年は3、4月に16勝5敗、5月に16勝7敗の好成績をマークするなど、スタートダッシュに成功。則本昂大投手、岸孝之投手の2本柱を中心に勝ち星を積み重ね、前半戦を首位で折り返す。また、6月9日のDeNA戦では則本投手8試合連続の2桁奪三振をマークし、世界記録に並んだ。しかし、8月に入ると、7勝18敗1分と失速。9月も負け越し苦しい状況となるも、かろうじて3位でシーズンを終え、クライマックスシリーズ進出を決めた。 迎えたクライマックスシリーズファーストステージは2勝1敗で西武を破り、ファイナルステージへ駒を進める。ファイナルステージでは、首位ソフトバンクに1勝のアドバンテージがあるという不利な状況だったが、第1戦、第2戦ともに1点差のゲームで競り勝つ。しかし、以降は粘りきることができず、惜しくも日本シリーズ出場は叶わなかった。
2019年は平石監督、松坂世代のコーチ陣が集結
翌2018年は、則本昂、松井が精彩を欠き、打線をけん引していたウィーラーのバットから快音は響かず。3、4月は9カード連続で勝ち越し無しに終わると、5月には自力優勝が消滅。6月には梨田昌孝監督が休養を発表し、平石洋介ヘッドコーチが監督代行に就任した。 平石監督代行に交代してからチームの状況はわずかながらに良化。田中和、茂木、島内の打順が固定されると、ファンの間で「タナモギアイランド」と称され、話題を呼び、スマイルグリコパークに「タナモギアイランドビーチ」が設置された。 2軍監督の経験を持つ平石監督代行は、若手を積極的に起用。結果的には最下位に終わったものの、岸孝之投手が4年ぶりに2桁勝利をマークし最優秀防御率とゴールデングラブ賞に輝くと、リードオフマンとして躍動した田中和基選手は新人王を獲得。苦しんだ分、収穫も多い1年となった。 2019シーズンに平石監督代理が正式に監督に昇格すると、松坂世代の同志である後藤武敏氏、小谷野栄一氏をコーチに招へい。則本昂、岸のWエースが不調に苦しむも、石橋がその穴をカバー。ブセニッツ、森原が中継ぎとしてフル回転すると、打線は新たに加入した浅村、ブラッシュがともに33本塁打をマーク。ルーキーの辰己、渡邊も期待以上の活躍でチームに貢献するなど、課題とされていた得点力不足が解消され、71勝68敗4分の3位でシーズンを終え、大きく躍進した。