「控訴は断念すべき」刑事法学者の有志が声明を発表 再審で無罪判決を受けた袴田巌さん
再審で無罪判決を受けた袴田巌さんについて、刑事法学者の有志が検察の控訴断念を求める声明を発表しました。 1966年に旧清水市でみそ会社の専務一家4人を殺害した事件の再審で、静岡地裁は捜査機関の捏造を指摘したうえで、袴田巌さんに無罪判決を言い渡しています。 巌さんは、9月29日に判決後初めて公の場で、「無罪判決が実った」と力強く語っていました。 ●巌さんの姉・ひで子さん: 「その後、また黙りこくって・・相変わらずの生活でございますが、出かけるにもね、明るい雰囲気になっております今のところ」 4日の会見で、姉のひで子さんは巌さんの様子を語り、無罪判決をうれしく思うと話しました。また、会見で弁護団はねつ造が指摘された「5点の衣類」について、「短期間でみそに漬けられた」とする光学の研究者の実験結果を新たに発表し、争うことは時間の無駄だと主張しました。 その後、刑事法学者の有志が声明を発表し、検察に控訴しないことなどを求めました。 ●刑事法学者 村井敏邦氏: 「徹底的に検察側の立証を弾劾しているわけです。それを考えるとこれにさらに控訴をするというのは法律家としては考えられない。ここで控訴は断念すべきだろう」 検察の控訴期限は10日です。