【毎日書評】身近な人間関係がいつもギクシャクするなら、相手への「ごめんなさい」を変えてみて
会話のすきまを探す
不快サインに気づいたら、すかさず「ごめんなさい」を伝えていくのが次のステップ。その際、「ごめんなさい」は「淡々と」伝えることが大切で、それは「バケツリレー」のようなイメージだそうです。 一列に並んだ人が水の入ったバケツを次々と渡していくものですが、前の人から渡されたバケツを、あまり深く考えないままに次の人に渡せば、あなたの役割はおわりですよね。そんなイメージを持つと「ごめんなさい」はうまくいきます。 深刻になってしまうと、発想が「相手と自分、どっちが悪いか」という「大きなごめんなさい」の方向に、ぐっと傾いてしまいます。これでは「ごめんなさい」を言うハードルが一気に上がってしまい、なかなか言葉が出てきません。(80~81ページより) つまり、「ごめんなさい」に「申し訳ない」というような感情を乗せず、息をするように、ただことばを発するだけでいいということです。(80ページより)
責任範囲を限定して謝る
すきまを探してタイミングよく「ごめんなさい」を伝え、相手の様子に少し変化を感じたら、次は心を込めてていねいに「ごめんなさい」を伝えることが大切。そこで、しっかり誠意を示すわけです。 そのときのコツは、「視線」の合わせ方にあります。 人は「ごめんなさい」を言うとき、たいてい相手から目をそらしたり、目線を下に落としたり、あらぬ方向を向いたりしています。 気まずい場面なので、そうしたくなる気持ちはとてもよくわかりますが、「ごめんなさい」の言いおわりを少し工夫するだけで、印象がぐっと変わります。(85ページより) 「ごめんなさい」なら「い」のとき、「ごめんね」なら「ね」のとき、「ごめん」なら「ん」のとき、つまり最後の一音を発するときに、ちらっと顔を上げて相手の目を見るといいそうです。(84ページより)
繰り返し伝える
ここまでのプロセスを踏んで「ごめんなさい」を伝えてもうまくいかない場合は、相手に繰り返し「ごめんなさい」を伝えてみるといいようです。とはいえ、反応がよくない相手に繰り返し「ごめんなさい」といい続けるのは苦しいもの。そこで著者は、「コップ理論」という技術を紹介しています。 コップが相手の「心」で、水があなたの「ごめんなさい」です。相手のコップに少しずつ水をそそいでいく様子をイメージしながら「ごめんなさい」を伝えます。(91ページより) コップの容量は相手によって違いますし、同じ人でもそのときの状況によって反応は変わるはず。そこで、最初の「ごめんなさい」では足りないと感じたら、時間を置いて2回目を、それでもダメなら3回目、4回目、5回目と続けてみるといいそうです。(90ページより) 「ごめんなさい」を口にすることは、妥協することでも、卑屈になることでも、相手に負けることでもないそう。それは、相手との関係改善の糸口になるということです。本書を参考にしながら、そのために必要なスキルを身につけるべきかもしれません。 >>Kindle Unlimited3カ月無料キャンペーン開催中【10/20まで】 Source: PHP研究所
印南敦史