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27年前公開の『ジュラシック・パーク』をアーティスト4人がおうちで観賞してみたら……

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エムオンプレス

邦ロック界で一二を争う映画論客とも言われるBase Ball Bearの小出祐介が部長となり、ミュージシャン仲間と映画を観てひたすら語り合うプライベート課外活動連載。 あの大ヒット映画を今観たらどう感じるのか? それぞれの自宅で「せーの!」で観始めて、終わったらオンラインで感想会。映画館がお休みでも、みんなで映画を楽しむことはできる! 【動画】感想会で話にあがった映画『ジュラシック・ワールド』予告編 ---------- みんなの映画部 活動第64回[後編] 『ジュラシック・パーク』 参加部員:小出祐介(Base Ball Bear)、福岡晃子、オカモトレイジ(OKAMOTO’S)、ハマ・オカモト(OKAMOTO’S) ---------- ■1993年の公開当時、『ジュラシック・パーク』によってCGの存在が変わった ハマ:リブート一発目の『ジュラシック・ワールド』(2015年/監督:コリン・トレヴォロウ)って観てます? 旧シリーズの『ジュラシック・パーク』はあくまで昔存在していた恐竜の再現なんですけど、新シリーズでは新しいハイテクで新種の恐竜を作っちゃう。人間が勝手にオリジナルの恐竜を生み出しちゃうんですよ。 小出:パンドラの箱を開けちゃうんだよね。 ハマ:AIとの比喩というか隠喩なんですけど、やがて人間の知能を超えちゃって暴走するみたいな感じで続編に繋がっていく。 小出:神の領域に人間が踏み込んた結果どうなるのか? っていう。そのしっぺ返しを風刺的に描くのってSFの王道だよね。施設のセキュリティは甘いけど(笑)。 ハマ:あのイアンっていう数学者(ジェフ・ゴールドブラム)は最初から正しいことを言ってるんですけどね。 小出:彼がするバタフライ・エフェクトの話(生態力学のわずかな変化が、やがて長期的にはとんでもない誤差や混乱をもたらすという理論)とかさ、物語のうえではやや唐突な感じはするけど、ほんとは読み取れないといけない話だよね。恐竜が6500万年前に滅んだことにも実は意味があるから、人間が甘い考えで、恐竜に憧れてる程度の気持ちで作っちゃったら何がどうなるかわかんないよって。 ハマ:大変なことが起こるよって。 ──もしかすると、これが当時スピルバーグ映画として立派に成り立っていたのは、我々観客の一般的な科学リテラシーも今ほど進んでいなかったからかもしれない。まだパソコンが身近にある時代でもなかったですから。 ハマ:ああ、たしかに。こんなに一般人がいろいろ語れるほどデジタル技術も浸透していなかったと。 レイジ セキュリティがどうたらとかわからない世界。それはおおいにありますね。まだアナログ時代の最後らへんっていうか、映像もCGとアナログのミックスですよね。車をひっくり返すシーンとかすごくないですか? CGとアナログをどうやって交ぜてるんだろうって。映像は最近のオールCGよりも生っぽい感じがあって、むしろ新鮮でした。 福岡:うん。 ■もはや恒例ともなった、小出部長のホラー話もご堪能ください レイジ:最初の、いかにもディズニーランドのスターツアーズみたいなのでパークの説明するシーンとか、すげえ良いなと思いましたけどね。あのビデオ、わかりやすいし。 小出:ロサンゼルスのユニバーサル・スタジオに行ったときさ、もうアレなのよ。あの車を模したボートかなんかに乗って、あのゲート開いて。 レイジ:超面白そう、超乗りてえ! 小出:すごい面白かったよ。Tレックスが前から、うわーって出てきたところに車がざーって落ちる。アトラクションで体感すると、『ジュラシック・パーク』のビジュアルのすごさは本当によくわかるね。車のカラーリングは時代を感じるし、パークのロゴなんかはもう映画から出てきちゃってるじゃん。 ハマ:そうっすよね! このロゴはやっぱすげえやって思った。 小出:パークの全景はわからないけど、ロゴの説得力が実在感を出してる。 ハマ:うんうん。スタジャンとか物販も良かったですよね。 小出:途中で物販コーナーちょっと映るじゃん(笑)。あのグッズ欲しいなって思わせるのがすごい。 ハマ:たしかに映画というより、テーマパーク的に見ると評価は最高レベルに変わりますね。セットすげえ良かったっすよね。 福岡:レストランの壁が化石になってるのもめっちゃ良かった。 ハマ:あとやっぱ、ジョン・ウィリアムズ最高って感じ。あの曲流れると、うおーって盛り上がるなあ。 小出:ね。テーマだけで『ジュラシック・パーク』に来た! ってなるもんね。 ハマ:ユニバーサル・スタジオに来たなってなる(笑)。 小出:ちなみに、本編とは関係ない話してもいい? 後半のレックス&ティム姉弟がラプトルに追っかけられるところで思い出したんだけど。 レイジ:調理場? 小出:調理場のくだり。改めて観てみて、あれは『地獄先生ぬ~べ~』だと思った。 ハマ:嘘でしょ?(笑) 小出:『地獄先生ぬ~べ~』で「はたもんばの呪い」っていう話があるんですよ。かつて罪人の首をはねてた刀が祭られてる神社があって、そこのお賽銭をぬ~べ~のクラスの悪ガキがくすねちゃう。そしたら、そのはたもんばっていう呪われた刀の化身みたいなのに追っかけられる。「首をはねてやる!」って。追っかけられてるうちに、もう自分が行くところすべてが刃物になってるのね。学校に逃げ込んでも、ドアとか窓の縁も刃物になって殺しにかかってくる。で、理科室に逃げ込むんだけど、その先の展開がラプトルに追っかけられるくだりと同じだった。 福岡:うわ、やばっ、覚えてるわ。 ハマ:地獄車みたいなやつだね。 小出:そう。はたもんばのほうがラプトルより怖かった。 ──ひょっとするとぬ~べ~の作者先生は『ジュラシック・パーク』を観てこれを描いたかもよ。 小出:絶対そうだと思う。 ハマ:絶対そうか?(笑) 小出:1993年からのマンガだから、『ジュラシック・パーク』と同じ年なのよ。 ハマ:結構近接ですね。映画館に観に行って、「あ、この逃げ込んだシチュエーション使えるわ」って? でもそれを結び付けるの、たぶん世界でこいちゃんしかいないよ。『ジュラシック・パーク』を観て、「はたもんばのほうが怖いな」って思ってる人間はたぶん世界にひとりしかいないと思う。 一同 (爆笑)。 TEXT BY 森 直人(映画評論家)

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