【船井電機】原田会長が『民事再生』の申立書を週明けにも提出へ 突然の破産手続きと解雇の裏で会社に一体何が?過去には「上場廃止」や「巨額の資金流出」などの動きも
「上場廃止」「巨額の資金流出」謎の多い動き
白羽の矢が立ったのがコンサルタント会社出身で出版会社社長の男性。新たな経営陣がまず取ったのは、船井電機の「上場廃止」でした。 この動きに、企業の信用調査をする会社の担当者は疑問を呈します。 (東京商工リサーチ情報部 山本浩司部長)「上場しているといろいろ報告義務があるので経営の透明性が保たれますが、非上場になった場合、全くクローズなのでわからない。自分の好きなようにやりやすくなる」 そして船井電機は大手・脱毛サロンを買収するなど事業の多角化を進めますが、経営は迷走します。本業の赤字に加え、巨額の資金流出があったというのです。 (東京商工リサーチ情報部 山本浩司部長)「破産を申し立てた時点では、現預金がほぼすっからかんになっていたと。300億円くらいの資金が流出したと」 流出したとされる資産300億円について、破綻直前まで社長を務めていた男性はJNNの取材に対し「私的な出費など不正を働いた理解は一切ない」としています。
「船井電機を守りたい思いから破産申請を…」
そして10月24日、突如発覚した経営破綻。創業者の親族で取締役の男性が、取締役会の決議を経ずに単独でできる「準自己破産」を申し立てたのです。その日のうちに東京地裁が破産開始を決定する異例の展開でした。 破産の申立書などによりますと、船井電機の債務超過は117億円にのぼるとされています。 しかしなぜ、会社の存続を図る道ではなく、FUNAIブランドともに会社が消えることになる破産手続きを選択するに至ったのでしょうか?話を聞くため、申し立てを行った取締役のもとをたずねました。話を聞くことはできませんでしたが、専門家は次のように指摘します。 (東京商工リサーチ情報部 山本浩司部長)「違う経営者が“乗っ取り”のような形で入ってきて、創業家一族の方が“船井電機を守りたい”という思いから、どうやら破産の申請をされたようです」
9月に就任した原田会長「何としてでも事業再生を」
前の社長から引き継ぎ今年9月に刷新された新体制で船井電機の会長に就任した元環境大臣の原田義昭氏は、準自己破産の申請について当日まで知らなかったと話します。 (船井電機 原田義昭会長)「(準自己破産に)びっくりしたのは事実。何としてでもこの事態から事業再生にもっていかないといけない」 原田会長は手続き開始決定の取り消しを求めて即時抗告しました。 (船井電機 原田義昭会長)「(Q船井電機にまだ資産はある?)あるとみています。破産という形でこの名門の船井電機を終わらせるわけには絶対にいかない」 原田会長は会社存続に向け、週明け、民事再生の申立書を提出する予定です。