マエケン好投2勝目もローテ生き残り問題は保留?!
ローテーション残留に崖っぷちだった前田健太(29)が28日(日本時間29日)、ドジャースタジアムでのフィリーズ戦に先発。今季から取り組んでいる新球カットボールを軸にした新しいピッチングスタイルで7回を5安打2失点8奪三振に抑え、今季2勝目を手にした。 開幕から結果が残せず4試合で1勝2敗、防御率は8.05。しかも、22日のダイヤモンドバックス戦では、5回で4被弾の6失点と散々の結果で、ローテからの降格危機に瀕していた。シュート回転して甘く入るフォーシームをことごとく痛打されていた。4試合で連続被弾は、ほとんどそのボールである。しかもふた回り、三回りと、打順が回ってくるごとに球速も落ちて被安打率が高まっていた。 ロバーツ監督は、そのダイヤモンドバック戦のあとに「日本で使っていたツーシームを利用し、春のキャンプで練習していたカッターを加えたらどうか」とアドバイスしたという。 マエケンは、その指揮官の言葉を聞き入れてカッターを軸に配球を組み立てた。3回に二死一三塁から2番のガルビスにカーブをジャストミートされてライト線に2点タイムリー二塁打とされたが、目だった制球ミスはそれくらい。カットとツーシームをうまく織り交ぜた配球で6連勝と波に乗っていたフィリーズ打線を煙に巻いた。昨年7月20日のパドレス戦以来となる、自身の最長イニングの7回を投げきる好結果につなげた。 「すごく感覚は良かったし新しいスタイルが見えたと思う」と前田も手ごたえを感じ取った。ロバーツ監督も「前田は力で押し切るタイプではないから」と、そのスタイルチェンジを支持した。 しかし、マエケンは指揮官の信頼を100パーセント勝ち得たわけではなかった。 ロサンゼルスタイムズなど複数の現地メディアによると、先発ローテの中で、カーショー、マッカーシーの2人が不動で、故障明けの左腕、柳賢振は、まだ1勝もできていないが、アレックス・ウッド、フリオ・ウリアスが結果を出していることから、ロバーツ監督は、マエケンをローテに置いておくか、どうかに今なお苦慮しているというのである。 試合後は、「調子のよくない投手が過多の状態になってしまっている。(先発をどうするかの)話し合いをしなければいけないと思う。難しい決断になると思う」とのコメントを残した。 ロバーツ監督は、マエケンの次回先発だけは約束したが、決してマエケンのローテを安泰と見たわけではないのである。マエケンが、本当の意味でのローテ降格危機を脱出するためには、次の先発で、再度安定したピッチングを見せつけなければならない。