新型アウディA4アヴァントが『必殺仕置人』の中村主水のようなクルマである理由とは?
ビッグマイナーチェンジを受けたアウディの「A4アヴァント」に今尾直樹が試乗した。アウディの魅力とは? 【写真を見る】新型アウディA4アヴァントの詳細(18枚)
変更ポイント
この新型コロナ禍で地方への移住を考えておられる方も多いようである。田舎暮らし。いいなぁ。筆者は最近、祖母がつくっていた梅干しとかダイコンの漬け物とか、もう1度食べたい、と、思うことしきり。祖母はずいぶん前に亡くなっているので、田舎に引っ越したからといって食べられるわけでなし。自分でつくるしかない。でも、自分でつくるとなるなぁ……。 というような漬け物の話がしたいのではなくて、先般、アウディ「A4アヴァント」の最新モデルに試乗し、このクルマの美点はなんだろう、と、考えた。そのことについて書きたいのです。 現行A4はインゴルシュタットの大黒柱の第5世代として、2015年9月のフランクフルト・モーターショーで正式デビューを飾った。本国では2019年にマイナーチェンジを受け、それが2020年10月に極東に上陸した。 ポイントは、エクステリアを全面的に刷新したこと。と、言われても、筆者にはどこがどう変わったのか、わからなかったのですけれど、新旧、並べてみれば、ぜんぜん違う。 アウディいうところの「シングルフレームグリル」がいっそうワイドになり、ヘッドライトのデザインがスッキリして、フロント・マスクがよりシャープになっている。ボディのパネルはほとんどが新しいそうで、マイナーチェンジ前より、全長は10mm長くなり、全幅は5mm増えている。前からカッコよかったけれど、さらにクールになっている。 グレードは、ベース、アドバンスト、Sラインの3種類。ベースは、ヘッドライトの上の白い眉毛みたいなデイ・タイム・ラニング・ライト等、装備を省いて価格を抑えたお値打ちバージョンで、みんな眉毛はほしいだろうから、ここにご紹介する35TFSIアドバンストが事実上のスタンダードと考えてよいのではあるまいか。 インテリアではインストゥルメント・パネルを一新し、インフォテインメント用のタッチ・ディスプレイが新たに採用されている。10.1インチのこれは旗艦「A8」のコンセプトを導入したものだ。 駆動系では、A4初のディーゼルのTDIが登場し、ガソリン・エンジンのTFSIともども、ベルト駆動式オルタネーター・スターターと12Vリチウム・イオン・バッテリーを搭載するマイルド・ハイブリッド・システムを採用している。これが技術上の目玉だ。 従来の35TFSIは1.4リッター・ターボだったけれど、これが廃止となり、おなじ2.0リッターの出力違いで、150ps版を35TFSI、249ps版を45TFSIとしている。 ディーゼルもおなじく2.0リッターで、これまた出力違いで、35TDIと40TDIがある。