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見過ごされる男性のワークライフバランスの声をお届け。

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VOGUE JAPAN

2018年に日本人の10代~70代の男女997名を対象に行ったある調査では、55.7%の男性が「単身赴任の経験あり」と回答した(女性は6.8%)。アンコンシャスバイアスを探す連載第4弾は、単身赴任男性Nさんの、見過ごされる男のワークライフバランスの声をお届けする。

引き離される家族。 私の妻はキャリアウーマンだが、現在ワンオペ育児をしている。私が単身赴任中だからだ。育児と仕事を両立している妻には尊敬しかない。 「仕事が好きだから続けられる」 妻はそう話すが、自分には到底真似できないほどの努力があるはずだ。家計的には妻が働く必要はないが、扶養という言葉が嫌いな彼女は、自身の仕事に使命感を持って取り組み、自己研鑽に努めるタイプ。なので、これからも働き続けてほしいと思っている。 私は大学院を卒業し、ゼネコンに就職した。初任地は北海道で、社会人2年目には山奥のトンネルの現場監督を任された。仕事には強いやりがいを感じている。多忙だが、学生時代に夢見たゼネコンへのイメージは変わっていない。 妻は転職をし、北海道についてきてくれた。一昨年には娘も誕生し、かわいい盛り。妻の育児休業中は、娘をお風呂にいれるのが私の日課であり、楽しみだった。そう聞く限りは、公私ともに順風満帆だ。 しかし、やはり現実は厳しい。都心から離れた現場が多いため、担当する仕事が変わると、単身赴任生活をせざるを得ない。私の理想は、家から通えてやりがいも感じられる現場だったが、今年の4月に宮城県に異動になった。新型コロナウイルスの影響で休日も家族とは会えず、もはや独身生活に戻った気分だ。

女性活躍の裏で、遅れる男性の育児参加への理解。

性別によって適職などはあるのかも知れないし、女性の待遇がよくなるのはいいことだ。だが、山奥や僻地などの現場に行かされることの多い(つまり、転勤の多い)男性に対し、女性社員は都心の現場や内勤が多いのは不公平だと感じる。男だって、子どもが幼いときはなおのこと、家族と一緒に住みたい。会うたびに大きく成長している娘の姿をみて、取り返しのつかない時間を失っているように感じるのだ。 子育て真っ盛りの男性社員が育児に参加できない大きな要因は、40~50代の男性上司たちと話しているときにも明白だ。 「父親は何もしなくても、子どもは育つんだ」 きっと、子育てを女性に任せてきた男性には、育児をしたい父親の気持ちはわからないだろう。上司と私たちの間には大きな意識の違いがあるのだ。残業や単身赴任を当然のこととして受け入れてきた彼らのように、「気付いたら大きくなっていた」という状況は避けたい。しかし、社内の空気からも、女性に比べ男性は、家事育児を理由に仕事をセーブしたり転勤するのは難しい。 単身赴任が避けられない職種もあるだろう。だからといって、解決策がないわけではない。せめて子どもが小さいうちだけでも愛する妻子と暮らせるように、男性たちも声を上げていかなければならないのだ。

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