SNSをやめて安藤美冬が見つけた「人生を一気に変える方法」
ノマドワーカーとして数々のメディアへ出演、多くの著作を執筆するなど、「新しい働き方のパイオニア」として活躍してきた安藤美冬さん。3年半ぶりの新刊『新しい世界へ』(光文社)では、誰もが抱えている「こわいこと」にあえて向き合い、挑戦することで、人生にブレイクスルーが起きると語っています。今回は、その発売を記念して特別に安藤さんにインタビューを行いました。新しい1年、何かを始めたいと思いながらも、「失敗したらどうしよう」「批判されたらどうしよう」というこわさを感じている人にこそ、読んでほしい1冊です。
「こわいことの連続」で切り拓いてきた人生
安藤さんは出版社に就職後、7年目に独立。フリーランスとしての第一歩を踏み出しました。2012年のTBS系列『情熱大陸』への出演が印象に残っている人も多いかもしれません。留学したオランダの「ワークシェア」制度や、現代経営学の父と称されるピーター・ドラッカーが提唱する「パラレルキャリア」に影響を受け、ひとつの仕事、ひとつの肩書き、ひとつの組織にとらわれずに、複数の才能や仕事を掛け合わせることで経済的リスクヘッジを叶えるだけでなく、自分の個性を打ち出していく働き方を実践。 結果、本を書く、講演をするというようなひとつの仕事やスキルにこだわらず、「職業・安藤美冬」として、SNSで発信しながら商品企画や大学講師など、さまざまな活動をしてきました。そんな生き方は、今のインフルエンサーやYouTuberなど自分という個人を商品としてブランディングしながら仕事をする人たちの先駆けでもあったのではないでしょうか。 ところが、そんな華やかな日々とは裏腹に、ポジティブな感情になれるのはほんの一瞬。当時はいつも「競争心」と「不安」でいっぱいだったと言います。そして、2017年には色々と悩んだ末に、SNSをやめるという決断をします。 思い切って、 “つながらない世界”を体験することで、思わぬ発見もあったとか。 「約750日間、SNSはもちろんネットにもほぼ接しない生活をして、周囲の人たちの動向や情報に惑わされることなく、心も穏やかになれました。自身の感受性の柔らかい部分を取り戻して、より自然体で生きられるようになったと思います」 再び、新しい流れがやってきたのが2019年末。周りの誘いや推薦などを受けて、徐々に「SNSを再開する」という後押しが来るように。 「数年のブランクを経てSNSでの発信を再開することは、考えられうる限り、最も『こわいこと』でした。想像するだけで過去にネットで受けた傷が疼いて、『今さら自分の言葉に価値なんてない、このままおとなしくしていよう』と、自ら火消しをしました。 ですが、過去に何度となく、『こわいこと』を乗り越えてきたことも思い出したんです。26歳で抑うつ状態になって会社を休職したのですが、翌年、半年ぶりに職場に復帰する初日は恥ずかしさと気まずさで心臓がバクバクしました。30歳で退職、独立したときも、こわがる心を振り切って、夢のために前に進む選択をしました。31歳、仕事と収入がない状況を打開しようと、やりたいことへの思いをFacebookの投稿にぶつけたときは送信ボタンを押す指が震えました。思い返せば、これまでずっとこわいことの連続ですが、『こわい』ほうを選ぶとき、決まって人生は私の勇気と決断に微笑み返してくれていたんです」 まずはリハビリを兼ねて、音声配信プラットフォームHimalayaにて人生相談チャンネルを開設。あふれる思いを言葉にのせながら、私はこれがやりたかったんだ、と実感して胸が熱くなったと言います。これまでのようにネットで広く発信することはせず、ブログなどに発信の場を限定しながら、現在もちょうどいい“塩梅”を模索中だそうです。