火星探査車パーサヴィアランス、「トゥルキーノ山」の岩石を撮影–レゴリスと地質学的特徴を調査
米航空宇宙局(NASA)の火星探査車(ローバー)「Perseverance」(パーサヴィアランス)が「Jezero」(ジェゼロ)クレーターの縁にある「Pico Turquino」(ピコ・トゥルキーノ)と呼ぶ岩石の画像を地球に送信した(キューバ南部にある「トゥルキーノ山」にちなんで名付けた)。 Perseveranceは8月に「Neretva」(ネレトヴァ)渓谷を出発し、Jezeroの縁の頂上まで約305mの登頂に挑んだ。縁の上部は約20度の傾斜があり、滑りやすい砂と埃で覆われている。 Perseveranceは11月18日、搭載機器の「Mastcam-Z」と「SuperCam」でPico Turquinoの尾根にある岩石を撮影。同地点のレゴリスと地質学的特徴を調査した。次にローバーはPico Turquinoの摩耗試験として、岩石の表面を削って、その組成と構造を調べる予定だ。 この研究を通じて、Perseveranceの科学チームは幅約45kmのJezeroを形成した衝突以前、あるいはそれに関連する地質学的証拠を見つけ、火星からの試料回収(サンプルリターン)計画に役立てる予定だ。 Perseveranceは2020年7月に打ち上げられ、2021年2月に火星に着陸。2023年12月に火星での滞在日数は1000を越えた。数十億年前の火星に微生物が生息していた可能性がある岩石を2024年7月に発見するなどの成果を上げている。
塚本直樹