【こてっちゃんホルモン焼きうどん】ファミリーマート商品だけで作る"こてっちゃんマシマシホルモン焼きうどん"が、いくらなんでもうますぎた:パリッコ『今週のハマりメシ』第162回
さっそくうどんをズズズとすすると、これがうまい。それもなんというか、予定調和を崩してくるうまさだ。具体的に説明すると、コク深いみその味がまず素晴らしく、甘辛の味加減が絶妙でありながら、見た目よりはしつこくない。かなり上品にまとまっている。 そしてまた、麺が意外だ。食べる前、僕は完全に、ちょっとゆですぎた冷凍うどんのようなやわやわ食感を想像していた。それを求めてもいた。ところがこいつ、しっかりとコシがありやがる。もちもちっとしていながら、うまく説明できているかわからないけど、"全人類に向けて食べやすさを調整した武蔵野うどん"みたいな感じで、わしわし感がありつつも食べやすい。味も食感も、見事なバランスだとおそれいった。 もはや、週末からの苦労あれこれなどどこかへいってしまったな。あぁ、いい夜だ......。 と、ここで記事を終えたってなんら問題はないんだけれども、すみません。もしお時間のある方は、もう少しだけ僕の、酒飲みとしての意地汚さにお付き合いください。 というのも、この記事の序盤で僕は、ファミマの「焼いてる!こてっちゃん」シリーズが大好きだと言った。もしもの話ではあるけれど、単品のそれを、今食べているホルモン焼きうどんにトッピングしてしまったらどうなるだろうか? つまり、こてっちゃんマシマシ焼きうどん。 それをもしもの話でなくし、念のため買っておいた自分をほめてやりたい。 ホルモン焼きうどんが冷めきらぬうち、温めた追いこてっちゃんをどさりとのせる。ただでさえ完成されていたうどんが、もはや神々しいレベルにまで突入している。 うどんが430円、こてっちゃんが354円。合計784円。安くない。晩酌グルメとしては安くないけれど、しかし今日の諸々の状況を鑑みて、決して高くない。日常における庶民の贅沢、その最高峰であると言えるだろう。 それらをざくざくっと混ぜて、誰の目をはばかることもなく、思いっきりすする。うまい! うますぎる! 牛ホルモンならではの上品な脂の甘みと、しゃきしゃきとしたホルモンの食感。こてっちゃんトッピングにより、こってり感を増したみそ味。 甘くないスーパーチューハイの、レモンの爽やかさとの相性も最高だ。あ~今日も報われた。これだから、うまいメシと酒の力はすごい。それがたとえ高級なものでなくても。 というようなことをしみじみ再確認できた、結果的に良い夜だった。 取材・文・撮影/パリッコ
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