岡田健史、YOSHI、永久メイ……『MILLENNIAL /ミレニアル』で発信した彼らの価値観がわかる“金言”とは
1年の行く末は年始の”スタートダッシュ”で決まる。コロナ禍で数か月先の予定も見えない混沌とした世の中だからこそ、2021年の始まりに金言があふれるドキュメンタリー『MILLENNIAL /ミレニアル』で心を整えるのがおすすめ。本記事では今まで出演した3名が話したいくつかの“金言”を紹介する。 【写真】自身の人生観を熱く語る岡田健史 ・ABEMAで配信中の『MILLENNIAL /ミレニアル』とは? 『MILLENNIAL /ミレニアル』は、その名の通り“ミレニアル世代”の視聴者に向けて、“ミレニアル世代”の多様な生き様や価値観を追いかけて届ける、“ミレニアル世代”に特化したドキュメンタリー番組である。 “ミレニアル世代”とは、2000年代以降に成人を迎えた、もしくは迎える世代を指す。この世代の特徴は、従来の固定観念などに捉われない多様性を持ち、新たな価値観や視点を持っていることだ。当番組では、それぞれの考えを持ちながら色とりどりに生きる若者たちの日常や悩み、もがき、未来に向かって挑戦する姿を映し出す。そんな『MILLENNIAL /ミレニアル』には、はっとするような金言が多く登場する。 ・俳優として正面から困難に挑む【岡田健史】の金言 2018年にテレビドラマ『中学聖日記』(TBS)で俳優デビューを果たし、2021年には大河ドラマ『青天を衝け』(NHK)の出演も決定するなど俳優として順風満帆な日々を送る岡田健史(21)。しかし自身のそんな現状についてどう思うか?という質問には、急に真剣な表情になり「ラッキーに助けられている部分もあれば、むしばまれている部分もあって。見ようともしない人に『苦労知らずだよね』とか『幸せ者だよね』とは言ってほしくないです。僕にしかわからない苦しみというか辛さというか、それもたくさんあります」と本音をこぼした。 「そういった苦しみや辛さは見せる必要はない。今のところ僕、逃げたことないです。ごまかしたらごまかした自分を嫌いになると思うので」と続け、爽やかな笑顔の裏に「負けたくない」という強い意思と表面に見えない努力があることが垣間見えた瞬間だ。 もともと野球少年だった岡田が役者を志すきっかけをつくったのは、高校時代の恩師だった。その時を振り返り「”選んだ道を正解にしていくのが人生”という言葉があったから、僕は東京に行く勇気を持って踏み出せた」と語った。「自分で自分の道を選ぶ勇気を与えてくれる」恩師の言葉は岡田自身だけでなく、現在進路に迷っている多くの若者の胸に響くことは間違いない。野球というスポーツを通して得られた精神力や努力に対する真っ直ぐな姿勢が、今の岡田をつくっていることが明確になった場面だった。 ・自分の世界を大切に生きる【YOSHI】の金言 モデル、アーティスト、シンガーソングライター、俳優など型にとらわれない才能を見せるYOSHI(17)。そのセンスはルイ・ヴィトンのディレクターからも賞賛され話題になった。華やかな人生を送っているように見えるYOSHIだが、自身を“とてもネガティブな人”と評価する。 「僕、人生で幸せだって一回も感じたことないですよ。人生、納得できていないので。これからですね」と意外な胸のうちを明かしつつも「今年はとにかく音楽ヒットを狙いたい」、「世の中を変えたい」、「今までにない、ゼロから1を作っていけるような勢いで仕事していきたいですね」と創作活動に対しての意欲はすさまじい。気さくでゆるい空気感とこだわりの強さのバランスが不思議な雰囲気を醸し出している。 また、自身のネガティブな性格を俯瞰して「俺のネガティブは何がいいかって、完全に闇の穴に落ちちゃうネガティブじゃないんですよ。辛いからこそ自分の状況を変えようと頑張る。辛いからこそ生きようよっていう。辛いと何したいかわかるんですよ。自分の人生は自分の人生だし、1回きりなんだったら、やりたいことをやりたいようにやろうと思って。ちゃんと最後まで生きて死にたい」と答えた。17歳ながら自分が何に触発されて力を発揮できるかを理解していることは大きな強みだ。彼のバイタリティやセンスは、自分自身と真正面から向き合い、とことん追求していることから生まれていると感じさせられる。 ポジティブに生きることを目指す人が多い中で、ネガティブを受け入れて「ネガティブだからこそ自由にこだわり抜いて生きる」YOSHIの姿勢を見れば、今までの自分の考えに新しい風を吹かせられるかもしれない。 ・一歩一歩の努力で夢を掴んだ【永久メイ】の金言 3作目の主役は、バレエダンサーの永久メイ(20)。ロシアの名門バレエ団にスカウトされる実力を持ち、Forbes JAPAN 2020年12月号内の「30 UNDER 30 JAPAN 2020」特集の表紙を飾ったことでも一躍注目された。 ロシアの名門バレエ団「マリインスキー・バレエ」で、日本人として初めてソリストを任された永久は「今日できる精一杯のことをやる、みたいな感じでずっとやってきて、今に至るというか。夢をつかむために、踊ることしかしてこなかったって感じですね」と日々の積み重ねが今に繋がったと語った。 そんな永久は、将来の夢について「持たないようにしている」と自身のスタンスを明かした。「今あることを精一杯やっていったら、絶対に自分がなりたかったものになれる。でもそこで満足してしまったら本当に終わりだし、満足している自分が許せないって思う」とストイックな一面とまだまだ登っていきたいという向上心を見せる。 海外生活での苦悩に関しては「誰とも喋れない、何も理解できない。英語が喋れなくて、それが一番辛かった」、「先生に怒られる度に『日本に帰りたい、帰りたい』って言ってて。母親から「日本に帰って来たらいい」と言われても「これで帰ったら絶対に負けだと思っていた」と芯の強さを滲ませた。 逃げたい気持ちとの葛藤に苦しみながらも目の前のことに真面目に取り組むひたむきさ、そしてバレエに対する情熱を注ぎ込む熱量が成功につながったことがわかる。常にネットと隣り合わせで過ごしてきたミレニアル世代は、自由を手に入れた反面、選択肢の多さに「打ち込む」ことの大切さを見逃しがちだ。彼女の好きなことにひたむきに取り組む姿勢は今一度「自分は何がしたいのか」という気持ちに向き合わせてくれるだろう。 三者三様のかたちで生きるミレニアル世代の若者たち。共通しているのは自分の人生を諦めず大切に生きるということ。今回紹介した3名には、どんな性格でも環境でも、心を折らずに続けるしなやかさが感じられる。そんな生きる力をもらいたい、という時に『MILLENNIAL /ミレニアル』を鑑賞してみてはいかがだろうか。
中野亜沙子