「日本とは桁が違う感染拡大状況。怖いが、感覚が麻痺してくる」ロンドンに暮らす特派員が見た、コロナ死者6万人超のイギリスの“現実”
世界で新型コロナウイルスの感染拡大が続く中、クリスマスを前に、直近ではロックダウンが緩和されため、夜の街にも人が戻りつつあるというイギリス。すでに176万人あまりの感染者と、欧州最多となる6万2000人以上の死者を出している。 【映像】ロンドン特派員による現地レポート
最新情勢について、テレビ朝日ロンドン支局の寺尾拓人特派員は「ロンドン中心部の繁華街ソーホーは、東京で言えば新宿・歌舞伎町から2丁目までをギュッとした感じのエリアだが、ランチタイムで人通りが増えてきたとはいえ、決して賑わってはいない。今も1日の新規感染者数は1万人を超えているし、“密”は避けようということだと思う」と話す。
「やはりクリスマスは最も大切なイベントなので、今はロックダウンを解除しているが、それでもロンドンは3段階のうち2番目に厳しい措置が取られている。例えば店内で食事する場合は家族のみ、屋外であっても7人以上は集まることができないといった具合に、不特定多数の人と接触する機会を減らそうしている」。
一方で、当局の規制に反発する“ノーマスク”デモが行われるなど、一部で混乱も起きているようだ。 「今も見たところ2、3割の人がマスクをしていない。私自身も驚いたが、春までは本当に7割くらいの人がマスクをしていなかった。公共交通機関ではマスクをしなければ罰金が取られるルールになっているものの、降りた瞬間にパッと外す人たちがいる。そもそもマスクをつける文化がないというか、根本的に嫌いなのかなという印象があるし、個人の自由だという感覚があるようだ。
また、こちらで暮らしていて思うのは、声を上げて個人の自由を主張する人が日本よりも多い。ロックダウンに違反すると、初回でも日本円で2万8000円ほど取られてしまうし、2目、3回目となると、90万円くらいまで上がってしまう。結構な額だと思うが、それでも国民性なのか、家の中でじっとしていられない人がいる、という感じもある。“俺たち大丈夫”ということで、パーッとをやってしまっている若者のニュースも目にする」。