映画監督・河瀬直美さん、奈良県国際特別大使に ロケ誘致で魅力発信
奈良市出身で映画監督の河瀬直美さん(55)が11日、世界に向けて奈良の魅力を発信する県の国際特別大使に就任した。山下真知事から委嘱状を手渡された河瀬さんは「映画監督として、自分にしかできないような形で奈良の魅力を発信できれば」と話した。 河瀬さんは高校までを奈良県で過ごし、1997年に五條市などでロケ撮影をした映画「萌の朱雀」を発表した。カンヌ国際映画祭で新人監督に贈られる「カメラ・ドール」を史上最年少で受賞し、現在も国際的な知名度を誇っている。山下知事は「河瀬さんは世界の要人とも会える方。名刺に大使の肩書を入れてもらい、多くの人に発信してもらいたい」と期待を込めた。 委嘱状が手渡された後、河瀬さんと山下知事が対談した。河瀬さんは地域に映画などのロケ撮影を誘致する組織「フィルム・コミッション」の海外での活動強化を提案。「入り口をしっかりと整備することで、奈良の魅力を多くの人に発信できる」と話すと、山下知事は「やりましょう」と明言した。 県によると「フィルム・コミッション」は奈良でも設立され、国内からは利用されているが、外国語では対応していないという。担当者は「多くの人に活用してもらえるよう、引き続き取り組んでいきたい」と話した。【田辺泰裕】