守りの報徳学園、攻めの健大高崎 センバツ決勝の見どころ
第96回選抜高校野球大会は31日に阪神甲子園球場で決勝があり、春夏通じて初優勝を狙う健大高崎(群馬)と、22年ぶり3回目の頂点を目指す報徳学園(兵庫)が対戦する。両校は前回大会の初戦でも顔を合わせており、報徳学園が7―2で勝利した。決勝を展望する。 【写真で見る歓喜の瞬間】歴代のセンバツ覇者たち ◇健大高崎の投手陣の回復具合が鍵 実力は伯仲しているが、投手陣の状態を踏まえると報徳学園に分がある。 報徳学園の先発が予想される右腕・今朝丸裕喜は準決勝は2球だけで、余力がある。1失点で完投した大阪桐蔭との準々決勝のように、140キロ台中盤の直球で厳しいコースを突くことができれば、球際に強い内野陣が本領を発揮する。 打線は4試合で計36安打。長打は少ないが、送りバントなどの小技をきっちり決められる。準決勝ではセーフティースクイズで得点を奪うなどそつがない。打率5割超の4番・斎藤佑征(ゆうと)がけん引する。 健大高崎は先手を取れれば勝機が広がる。毎試合打点を挙げている4番の箱山遥人が準々決勝、準決勝でいずれも3安打。1、2番の出塁が得点の鍵になりそうだ。代名詞の足を使った「機動破壊」、適時打なしでも得点を奪う「ゴロゴー」など攻撃の多彩さも強みだ。 気がかりなのは投手陣。4試合すべてを左腕・佐藤龍月(りゅうが)と右腕・石垣元気の2年生コンビの継投でまかなってきたが、佐藤は準々決勝で左手中指を痛め、万全ではない。準決勝は八回から救援して今大会の連続無失点を21イニングに伸ばしたが、長いイニングを投げるのは避けたい。石垣は準決勝で今大会初先発し、116球を投げた。どこまで回復できるか。【石川裕士】