共働きなのに貯蓄できない⁉共働き世帯・専業主婦世帯の貯蓄の差とは
専業主婦が主だった1980年代と比べ、今や共働きはすっかり珍しいものではなくなりました。労働政策研究・研修機構が発表している「専業主婦世帯と共働き世帯」によると、90年代に入ってから専業・共働き世帯数がほぼ同率になり、2019年時点では共働き世帯1,245万、専業主婦世帯575万と、共働き世帯が倍以上に逆転していることが分かります。 では、二馬力で働いている共働き世帯は、専業主婦世帯と比べてどのくらい収入があり、貯蓄もできているのでしょうか。実際の声を交えながらご紹介します。
専業主婦世帯と共働き世帯の貯蓄額の違いは
一般的に、夫婦がともに働く「共働き世帯」は、年間収入も多く貯蓄もしっかりしているイメージがあるかもしれません。では、専業主婦世帯と共働き世帯の年間収入・および貯蓄額について、総務省統計局「家計調査報告(貯蓄・負債編)-2019年(令和元年)平均結果-(二人以上の世帯)」をみていきましょう。 【専業主婦世帯】(平均) 年間収入:688万円 貯蓄:1,466万円 【夫婦共働き世帯】(平均・有業者は夫婦のみ) 年間収入:799万円 貯蓄:1,289万円 なんと、共働き世帯の方が100万円以上も年間収入が多いにも関わらず、平均貯蓄現在高は専業主婦世帯の方が177万円多いという結果です。その差はどこにあるのでしょうか。
共働きなのにどうして貯蓄が少ないのか
共働きと専業主婦世帯では、どのような暮らしぶりの違いが見えるのでしょう。総務省統計局の「家計調査報告(家計収支編)―2019年(令和元年)平均結果―(二人以上の世帯)」から、さまざまな項目をピックアップしてみました。 【食料費】専業主婦:77,189万円/共働き:78,552万円・ 【被服及び履物】専業主婦:12,810万円/共働き:14,395万円 【教育】専業主婦:18,800万円/共働き:23,710万円 食料費・被服など生活支出面に関してそこまで大きな差はみられないようですが、教育費では共働き世帯の方がお金をかけている様子がうかがえます。また、ほかに目を引くのは住宅ローンを払っている世帯です。共働きで住宅ローンを払っている世帯は50%、一方で専業主婦世帯では38.2%にとどまります。先述のデータによると、負債も専業主婦世帯より共働き世帯のほうが多いことが分かっています。住まい環境や教育に関するニーズなどが、貯蓄額の差につながっているのかもしれませんね。