「最期まで自宅で」叶えたい…“血液がん”の終末医療 在宅輸血がつなぐ家族の時間
妻 町江さん(86): 「(余命は)1週間か10日くらいじゃなかろうかと聞いた。でも本人はやっぱり家に帰りたいと言うし、それ(輸血)が家でできるんだったら家の方が…できたら家で看てあげたい、家におらせてあげたい」 退院後、自宅で輸血ができる森医師のクリニックを紹介され、今は週に一度、細胞がエネルギーを作るために必要な酸素を運ぶ赤血球の輸血を受けています。 有光さん。入院前と比べ、ずいぶん状態が安定してきました。
記者: 「うな重食べてるんですね?」 町江さん: 「これは息子からの差し入れ。好き。うな重だとか、それからみゅんへんの唐揚げだとか。今は、(病院から)帰ったときよりずっと、食べるものも食べだしたし、テレビ観て今だったら高校野球観たり、楽しんでいる」 好きなものを食べ、長年連れ添った妻・町江さんと子どもや孫、ひ孫たちと過ごす。
息子の妻: 「こないだ、ただいまって帰ってきたときに静かやったけん、外出かと思ってのぞいたら、お義父さんとお義母さんがこのベッドで一緒に寝よった」 有光さんの病状がいつ再び悪化するかは分かりません。しかし、森医師による自宅での輸血で有光さんは今、家族とかけがえのない時間を過ごしています。 森さん: 「来週伺いますね。はい、失礼します」
「お家帰りたいけど帰れなかったという方を何人も見てきたので、そういう方が一人でも減ればいいと思う。患者さん、それからご家族が満足できるような環境を作ることをお手伝いできたら」