長野県松本・池上百竹亭の茶室 積極活用へ 6日から初のこども茶会
国宝松本城のほとりに立つ社会教育施設「池上百竹亭」(長野県松本市丸の内)を周知し、有効活用してもらおうと、指定管理者の松本地域シルバー人材センターが敷地内の茶室の積極活用を始める。閑静な庭園に囲まれた伝統空間を低額で使用できる公共施設だが、知らない市民も多い。手始めに6日から来月まで「こども茶会」を開き、若い世代に和の文化や空間に親しんでもらう。 松本市の文人・池上喜作(1890~1978)が多くの歌人や文化人と交流した邸宅で平成7(1995)年に市に寄贈された。上座敷、下座敷、中の間が並ぶ本館に加え、茶室は京都の大工による本格建築で、特有のにじり口や水屋を備える。植栽豊かな露地にはつくばいもあり、風情あふれる空間だ。 ただ、博物館施設とも一般的な公民館とも違う百竹亭は認知度が低く、誰でも利用できることを知らない市民も多い。コロナ禍で茶室の利用も激減し「もったいない」(関係者)の声が聞かれる。 そこで同センターが茶会を企画。小中学生や高校生を対象に6、20日、9月17日に開き茶室での一服を体験してもらう。反響を見ながら他の企画も検討していきたい考えで、担当者は「素晴らしい空間で日本の伝統に親しんで」と話している。 各日午前11時と午後2時の回があり参加費500円。希望者には浴衣の着付けサービスもある。申し込みはセンター(電話0263・39・6680)へ。
市民タイムス