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伝説的ギターの台帳に懸賞金 ギブソンが狙う「ブランド復興」

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ITmedia ビジネスオンライン

 世界で最も有名なエレキギターの一つに、米Gibson(ギブソン)製レスポールというモデルがある。 【ギブソンのエレキギター、レスポール】  ギターファンでなくとも一度は耳にしたことがあるギターのモデルだろう。名前を聞いたことがなくても、見たことがあるという人も多いかもしれない。というのも、世界的なロックバンドなどのギタリストが愛用しているからだ。レッド・ツェッペリンのジミー・ページや、ガンズ・アンド・ローゼズのスラッシュ、エアロスミスのジョー・ペリーなど枚挙にいとまがない。  そんなギブソンのレスポールの中でも、伝説的なギターとして一目置かれているのが、1959年製造のレスポールである。なぜ59年かというと、まずはその希少性にある。59~60年にかけて、ギブソンは643台のレスポールしか製造していない。それゆえに、現在は高値で売買される伝説的なギターとなっている。  最近、それら59年製造のレスポールをめぐって、ギブソンが公式サイトである呼びかけを行ったことで話題になっている。  実は、59年の販売台帳が30年以上前から行方不明になっており、その台帳を見つけた人に5万9000ドルの懸賞金を現金で支払うと発表。その理由は、販売記録がないために、59年製レスポールの偽物が世の中に出回っているからだという。記録がないために、偽物を売りさばく詐欺行為も行われているという。  このギブソン社の呼びかけの裏には、一時は破産まで行った同社が今、新たなチャレンジを始めている事実がある。そこで、伝説的ギターを生んだギブソン社の歴史に迫りつつ、有名老舗ブランドの戦略を見ていきたい。

50万ドル以上の価値になった、59年製レスポール

 まず今回の「呼びかけ」だが、そもそもなぜ販売台帳は行方不明になったのか。その理由は同社の軌跡にある。  1894年にオービル・ギブソンによってミシガン州カラマズーで設立された同社は、もともとマンドリンを作る会社だった。その後、エレキの楽器を製造するようになり、ギターで有名になっていく。初めてレスポールが発売されたのは1952年だった。ただ当初はあまりの重さと古臭いイメージでイマイチ人気も出なかったため、軽いギターの製造にシフトして行った。そして生まれたのが、59年のレスポールだった。  同社にとって最初の大きな転機の一つは、64年にローリング・ストーンズのギタリストであるキース・リチャーズがレスポールを使い始めたことだったといえる。スターギタリストが使用したことで、認知度も人気も高まった。そして翌年には、エリック・クラプトンもレスポールをプレーするようになり、その後は、グレイトフル・デッドのジェリー・ガルシア、スティーブ・ルカサー、ジェフ・ベック、ジミー・ページなど人気ギタリストらが愛用するようになった。この頃は、ギブソン社の黄金期と呼ばれている。  そんな中で、59年の販売台帳は行方不明になった。同社によれば、おそらく本社がミシガン州カラマズーからテネシー州のナッシュビルに移転した84年ごろに販売台帳がどこかへ行方不明になってしまったという。  現在、59年のレスポールは、50万ドル(約5400万円)以上で取引されることもある。もともと、当時の価格で450ドルで販売された同モデルは、現在の価格にすると4000ドルほどの値段だった。それが50万ドルを超えるほどの価値になっている。

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