森を打ったオリにあって、ソフトバンクにないもの【タカ番記者の好球筆打】
◆ソフトバンク2-3オリックス(24日・ヤフオクドーム) ストッパーの森で負けた。登板前まで、今季は全11試合で無失点投球を続けていた絶対的守護神だ。チームとしては100%に近い確率で「勝ち」を計算していただろうから、逆転負けは痛恨に決まっている。 試合後の工藤監督は「森君で負けるんだったら、チームとしてね(仕方ない)。彼に100%の信頼を持って投げてもらっている。これまでいくつもチームを救ってくれている投手だから」とかばっていた。貢献度は計り知れないだけに当然だが、痛いものは痛い。 その森を、悪夢のような敗戦投手へと導いたのが同点打を放った新人中川だ。高校野球の名門・PL学園出身で、昨年の新人ドラフトでは「PL最後のドラフト候補」として注目され、東洋大からプロ入りした選手だから聞き覚えがある人も多いのではなかろうか。 何といっても、あの粘りだ。ほぼ外角に集められた際どい球に対し、必死にバットを出してファウルにする。最後となった10球目の外角球も何とか食らいつき、執念で右翼線へはじき返した。PL学園、東洋大と直系の先輩にあたる森ヘッドコーチも「相手を褒めることはしたくないけど、よく粘って森から打ったのだから、大したもの」と悔しそうに振り返っていた。
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西日本スポーツ