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新型コロナウイルスが教える「自然に帰れ」/廣岡達朗コラム

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週刊ベースボールONLINE

中村天風の教え

 新型コロナウイルスに感染した藤浪晋太郎(阪神)が退院した。梨田昌孝、片岡篤史(ともに野球解説者)も病状が快方に向かっているという。まずは、よかった。  今回、新型コロナから回復した人間は、薬で治ったと喜ぶのは間違いだ。薬とは病を根絶するわけではない。副作用もある。それより、自分はなぜ感染したかを考えるべきだ。病気をするということ自体、生活のどこかが狂っていたからだ。そのことを病気から教えてもらう視点を持たなければいけない。専門家も、こうしたら病気にならないと話すべきだ。要するに自然に帰れということである。宇宙の法則に逆らわない。太陽は東から昇って西に沈む。しかし、人類は極端にいうと、西から太陽を上げるようなことをやってきた。福島第一原発にしても、汚染水の問題を放置していたら、こちらも将来天のしっぺ返しを食うだろう。  私が若いころに師事した人物に、思想家の中村天風(1876―1968)がいる。30歳で血を吐いた。結核を患って肺に穴が空いたのだ。病を治すために世界中を回った末に出会ったのが、カリアッパというインドの高僧だった。天風は弟子入りした。カリアッパ師は、鳥の飼料用として使われる稗(ひえ)と、木に成る果物を主食にしていた。「お前の食生活は間違っている」と言って、師は天風に粗食を進めた。  言われたとおりに食生活を変えたら、天風は肺に空いた穴が完治しないまま、92歳まで生涯を送った。大切なのは薬より人間の自然治癒力である。やるべきことを必死にやれば変われるのだ、と天風は悟った。  私が西武の監督時代にナインの食事改善に着手したのも、天風の影響が少なからずあった。肉食を禁止。健康になるには、繊維質を摂らなければいけない。そこで玄米を食べるよう指示した。玄米とは、もみを取り去った段階のコメのことをいう。野菜も調味料を使っておいしく料理するより、ありのままの状態で食べたほうが健康には遥かにいい。  粗食生活は新型コロナ問題を考える上でのヒントになる。高齢者と違って免疫力が強いはずの若者がなぜ感染したのか。自覚がなかったのと、もう一つは、いまは親が子どもに贅沢なものを食べさせているのが原因だ。細菌は目に見えないところに溢れている。細菌を殺すのが白血球の役割なのだが、正しい食生活をしていないため白血球が働かなくなってしまう。

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