IBF世界Sバンタム級戦で小国と岩佐が「負けたら引退」の因縁日本人対決
プロボクシングのIBF世界Sバンタム級王者、小国以載(29 、角海老宝石)の初防衛戦が9月13日に大阪のエディオンアリーナ大阪で、同級3位の岩佐亮佑(27、セレス)を挑戦者に迎えて行われることが13日、都内で発表された。アマ時代から11年越しの因縁対決となる“ガチンコ”の日本人対決は「負けたら引退」の覚悟が交錯する壮絶なタイトル戦になりそうだ。 アマ時代から因縁のある2人の日本人対決は、IBFの指名試合として行われるため、この試合を望んでいなかった小国は、「岩佐は大嫌い。一番やりたくない相手。子供にとってのピーマンみたいなもの。美味しくないね。まだ克服できていないけど、世界戦なら食えるんじゃないかとも思う」と、中途半端な口撃。写真撮影では、TBSが急遽、用意したピーマンをかじった。 一方、ひとつ年下の岩佐は、「ピーマンとは失礼ですね。とびきり苦いのを食べさせてあげます。僕も(小国を)好きじゃない。ヘラヘラしているでしょう」と余裕の応戦。 小国は、昨年の大晦日に世界初挑戦で、22戦全KOの無敗王者、ジョナサン・グスマン(ドミニカ)からダウンを奪うなど3-0判定の大番狂わせで王座を獲得したが、この試合で、左手親指のじん帯を損傷、1月上旬に縫合手術を行い、防衛戦が延期されていた。 岩佐は、2015年6月にイギリスに渡って挑戦したリー・ハスキンスとのIBF世界バンタム級戦以来となる2年ぶり2度目の世界挑戦。その試合では6回TKO負けを喫したが、階級を上げて再起。昨年11月には挑戦者決定戦で米国に乗り込んだが、対戦相手のルイス・ロサ(米国)が計量オーバーの失格で試合が中止となった。IBFは、岩佐を指名挑戦者に認定したが、小国のケガのため10か月も待たされる形になった。 2人にはアマ時代からの因縁がある。 小国は、神戸第一高時代にボクシングの名門、習志野高で合宿した際、当時中学3年の岩佐とスパーリングをして一方的にやられた。岩佐は「記憶にない」と言うが「やられたほうが覚えているもの」と小国。 公式戦での対戦も一度あった。小国が高2、岩佐が高1の選抜大会の2回戦。岩佐が18-8の大差で圧勝した。「当時、アマは15ポイント差になれば止められるので、そればかりを考えるほどボコボコにやられた」と小国がふりかえれば、岩佐は、「簡単に勝ったかな」とサラリ。結局、岩佐は習志野高時代に、選抜、インターハイ、国体の3冠。小国はインターハイでの3位が最高成績で優勝は一度もなかった。