モーターの回転数1.7倍、レアアースも使わないEV向け電動アクスル。いつ実用化?
愛知製鋼が開発、31年以降めどに
愛知製鋼は既存製品に比べ4割小型化した電気自動車(EV)向け電動アクスルを開発した。モーターと減速機を一体化した駆動ユニットで、レアアース(希土類)のジスプロシウムを使わない独自のネオジム系磁石を使い、モーターの回転数を従来比約1・7倍の毎分3万4000回転に高速化して実現した。2031年以降の事業化を目指す。 デンソーに愛知製鋼…。新型FCV「ミライ」に採用されたトヨタ系サプライヤーの技術がスゴい! 実用化に向け自動車部品メーカーとの協業を図る。完成品や部品ごとの供給など、顧客の要望に合わせてビジネスモデルを検討する。 ネオジム磁粉と樹脂を混ぜた独自の磁石「マグファイン」を使い、磁石とローターを一体成型して耐遠心性能を高めるなどして高速化した。従来製品は毎分2万回転程度が上限だったという。減速機では表面処理を工夫して強度を従来比30%高めたギア用鋼を使用。小型化により銅や鉄といった素材の使用量を半減できる。 磁石中の樹脂だけを分解して磁石を回収するリサイクル技術も開発した。磁粉回収率は90%で、性能は95%を維持する。会見した御手洗浩成執行役員は「電費向上と資源問題解決の両面で貢献したい」と意気込んだ。